気がつくと、僕は真っ暗な空間にいた。肉体も無くふよふよと漂っていた。ここは…。

「ここは零位相。現実でも夢でも無い、間の場所です」

 唐突にさっきの男が現れた。

「悪霊は始末がつきました。あとはあなたが目覚めるだけです」

 すべて終わったのか……。

「いいえ、終わっていません。あなたには帰りを待ってくれている人がいます」

 そうか…。最後に一つ教えてほしい。

「なんでしょう」

 姉と弟…。僕が見ていたのはどちらが現実でどちらが夢だったんだ?

「それは、もうすぐわかる事です。ご自分の目で確かめてください」

 男は優しい目をしてそう言った。

 辺りがぼんやり明るくなってきた。そして、すべてが光に包まれたとき………。



 僕は目覚めた。


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