王女様の執事だったけど、魔法学園に入って王宮魔道士にならないと専属執事になれないと言われたのでなりふりかまっていられません

神崎夜一

入学編

1.プロローグ 王女様との別れ


「アレス本当に行ってしまうのですか?」

「王女姫何をおっしゃるのですか。これは王女姫のためであり、義務なのです。私の責務を取らないで下さい」

「で、でも私。アレスが居ないと何もできないもの」

「今日のため王女姫に沢山のことをお教えしてきました。ちゃんと王女姫なら私抜きでできる筈です」

「ご飯は?」

「メイド長が」

「着替えは?」

「メイドが」

「読み聞かせは?」

「メイドが」

「添い寝は?」

「メイドが」


困った王女様だ。今にも泣きそうなお顔で私が城を出て行くことを拒んでくれる。これほどまでに嬉しいことはない。

15年間ずっと仕えてきた姫。私も離れたくない。でも決まりは決まりだ。私は行くしかない。


「姫。私はこれから大事な責務に行ってきます。これは私のためであり、姫のためでもあります。そのためにここを出て学び、王宮魔法士にならなければいけません。それまでどうか未熟な私目を応援してくださりませんか?」


「・・・も、もうっ!わ、わかったわよ!アレスなんかどこでも行ってしまえ...」

「王女様...。ありがとうございます。ではまた4年後お会い出来ること楽しみにしております」

「・・・」

「ではーー」


私がお別れの挨拶をしようとした時、王女様が恥ずかしながらも私にお言葉を残してくれる。


「が、頑張ってね。今の言葉嘘だから!私はずっとアレスと一緒が良いわ。私の身の回りの世話をアレス以外にしてもらうことは正直イヤ。だから

アレス以外私は認めないから」

「ありがたき御言葉。姫。お元気で」

「アレスも絶対、ぜーーーったい勝ってね!」

「えぇ。勝ちます!」


背中を振り返っても姫は手を振ってくださる。とても嬉しいことだった。


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