妄想バカでも腐女子と呼ばれたくない

Kurom

第1話ハッピーバースデー私!

「君は優しくて素敵で綺麗だから、きっといい人がいるはずだよ。ポジティブに生きてね」


これが私の最後の恋になるのか、10年続いた恋が終わった瞬間…


どうして、優しくて綺麗でって言うのに私はダメなのだろう。


10年前、25歳の私は強きも強き、趣味は化粧、服、合コン。綺麗でスタイル良くて、一流とはいかないが仕事もしてお金も稼いで自立してる!自分でもそんな自信があった。彼氏はいても合コンは行く、それは当たり前の事。私の事が好きなら私のする事は全部許して!私の事がもっと好きな、もっとかっこいい王子様がいるかもしれないじゃないの。あなたも何をしようが自由よ、だけど私が嫌になったらごめんね。そんな事を付き合っている人に平気で言うような嫌なやつだった。でもなぜか、付き合う人は全員若かった私の言いなりになっていた。たとえ私が「今日はともちゃんの合コンでかっこいい人の番号貰った〜」と言っても、悲しそうな表情は見せるが、何も怒らない、許してくれる、そんな男の人に甘えに甘えきっていたのだろう。それどころか、悲しそうな表情を見ることに快感を覚えてしまっていた。


「もう、飽きちゃったのかも。なんか、急に顔が嫌いになっちゃた」21歳の私は平気で突然別れ話をメールで伝えた。もちろん彼は電話をかけて「どうしたの?何か悪いことした?きちんと会って話そう」、決まって私は「大丈夫、間違えじゃないよ」


5年経ったある日の合コン。なんとなくいい感じに盛り上がって番号も交換した、その瞬間。「ごめん、遅くなったー」ずっきゅーん!凄くイケメン、というか秀才顏だけど唇がセクシー。あら、私の運命がここに。自己紹介、名前を言った瞬間「俺、まさ子っていう名前ダメ。友達が破天荒に振られた名前なんだよ、お前の顔もそんな事しそうな顔してる。美人なのは認めるけど、俺騙されないから。最後に男を振った時の言葉教えて」

あっけにとられている私に「じゃ、今まで何人振った?」と次から次に質問がくる。初対面の人に言う質問か?とも思いながらも正直に答える「急に嫌になって別れました」


付き合った期間は長くて3ヶ月、短くて2週間。でも、片思いの時間は1年も続く事もあった私の恋。常に素敵な物や人に囲まれて過ごしていたいの。それが私の欲しいもの。いらないものはいらないの。片思いが1番好き。手に入ると、何故だか輝きが消えていく。なんでだろう。


時は今、夢み飽き性の私が10年間も好きだった、というか大好きだった人に振られました。

ハッピーバースデー、私!

新しい人生の幕開けです。

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