第162話 事件は会談室じゃない!風呂場で起きてるんだ!
そのまま色々ありながら数日が経ち...。
まあ色々と言ってもいつものドタバタとバカップルのイチャイチャと
そうこうしてるうちにウォトカ国との会談の日がやってきた。
流石にこの日はヤマンバの動向を探っていた隠密達も半分は戻ってきて隠れて警備をしている、ヤマンバの方は疾風が指揮を取っているので途中で抜けても問題ないそうだ...どんだけ有能なんだ?疾風さん。
『初めまして、サンブックの王よ』
ウォトカの使者はそう言って挨拶してきた。
よくわからないウォトカ語の中に「ショーグン」と聞こえたのだがこの魔法、伝えたくて口に出した事を翻訳する魔法なので向こうの認識だと将軍=王って認識なんだろう。
「うむ、遠路はるばるよく来てくれた、ウォトカの使者よ、こちらはこの翻訳魔法を担当している毛利洋一だ」
カツミちゃんの紹介に会釈をして応える俺。
まあ通訳してるのは俺じゃなくて懐のミニラビなんだけどな。
なお使者の随行員の言動を探る役であるカリンはメリルと共に給仕として動いている。
通訳である俺や隠密(対外的には秘書?)であるリューバさん以外にこの部屋に居る理由付けではあるのだが...。
うん、着物に割烹着の町娘スタイルも可愛くていいなぁ。
こうなった理由はカリンの若干尖ったエルフ耳を三角巾で隠すためなんだけどね。
さて通訳した内容は特筆することは無く領海の区切りの話や行き来する頻度、両国への外交員の派遣など国交交渉ではごく当たり前だが重要なことばかりだったが多少の交渉はありはしたが揉めて破談になるようなことも無く順調に進んだ。
それでは使節団の皆様にはヒノモト式のお風呂でも...といういつもの流れを勧めながら気づいた。
普段から風呂での会話は盗聴して監視しているわけだが伝声管方式なのか魔法なのかわからないがその音声って翻訳魔法が通じるのか?
使節団が風呂の準備を待つ間控室に移動したタイミングでそれをカツミちゃんに伝えると。
『ボクが聞いてみるから大丈夫だよ!どっちにしろヨーイチもカツミちゃんもお風呂でウォトカの人と話すときボクが居ないとだめでしょ?小さい姿のままお風呂の物陰に隠れておくからヨーイチが出るとき一緒に連れて出てくれれば』
と、ラビが言ってくれる。
たしかに日本の風呂文化(ヒノモトだけど)なら裸の付き合いでその時に会話出来ないのは不自然すぎるからな。
というわけで使節団が入る前からラビが風呂場に潜みある程度自由に話させたのを聞いておいてもらってからカツミちゃんと護衛のリューバさん、キョースイさんと共に通訳(のフリした)俺が入っていくという形になった。
ん?あれ?
いつのまにか
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