第146話 一級フラグ建築士

 やっとの事で一本の触手を無効化したのだがそれで学習したのか触手達はジリジリとしたせめぎ合いをせず高速で襲いかかる攻撃法をメインにし始めた。

 対策が早すぎない!?

 考えなしにスピード重視な分こちらも攻撃しやすくはあるのだが丸太アタック一撃粉砕のような劇的な攻撃もし辛くなっている。

 しばらくジリ貧な状態が続いたあと、アイさんが口を開いた。

『仕方あるまい、マイよ!を使うのじゃ!』

 その声に。

「みんな!ちょっとだけあーしのこと護って!」

 そう叫んだマイさんにみんなが駆け寄り放射状の陣形で囲む。

 絶え間なく襲いかかる触手をある者は剣で、またあるのもは魔法で。

 そして俺はボウガンで追い払いながらマイさんを護る!

「黄昏よりも〜♪」

 その隙にマイさんが始める、なるほどそう言うことか!

「みんな!マイさんの歌が終わるまで護り切るぞ!」

 俺が叫ぶとみんなは。

『はいっ!』

『おっけー!』

『わかりましたわ!』

「合点承知!」

 各々返事をする...誰だ変な返事したの?

 その後身の危険を感じたのかさらなる猛威を奮い始めた触手をなんとか撃退しつつその時を待つ!

『全員気を付けるのじゃ!デカイの行くぞい!』

 アイさんの叫びと共にマイさんが叫ぶ!

「...スレイブ!!」


 圧巻だった...。

 マイさんの力ある言葉発動ワードと共に赤い光が大王イカクラーケンに向かって収束していき...大爆発を起こす!

 一撃で本体に大穴を開けられた大王イカクラーケンは叫び声ともなんとも言えない音を発しながら海へと沈んでいった...。

「やっtむぐっ!?」

 俺が呟こうとした口をマイさんが塞ぐ。

 あ?もちろんキスとかじゃなくて手でだけど。

「ダメだってヨッチ!またフラグ立てようとしたでしょ!?ちゃんと殺ったから!あーしの魔法は最強だから!」

 いかんいかん、つい!?なんてベタなフラグを建てるとこだった。

「助かったよマイさん、ついつい台詞を言うところだった」

 そう言って頭を掻く俺、しかし話には聞いていたがまんま俺の思った通りの魔法だったな...、俺の考えが正しければきっと他のも発動するんだろうな。

 何はともあれ危機は去った!俺たちは張り詰めた糸が切れるようにその場に座り込んだ。

 しばらく座り込んでいたが次第に船員クルー達は立ち上がり持ち場に戻っていく、船は一路サンブック方面へと舵を修正して...進むに従い暗雲も晴れていくのであった。

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