第100話 謎のヒロインX

 前書き

 皆様のおかげで異世界キャンプも100話を迎えました!

 24万PVも達成して書き始めた時には想像も出来ない環境で執筆出来ることに感謝しかございません!

 引き続きご愛読いただけますようよろしくお願いいたします。


 よっち


 以下本編になります!




「なんだ?この女性ひと?ってか日本語!?」

 俺は久々に耳にする日本語に驚きつつも彼女の上半身を抱き抱える。

 気を失っているみたいだけど苦しんだりしてる様子はない。

 森の中を歩いてきたのか葉っぱや草、泥で汚れているのだが小汚い印象はそれだけじゃなかった。

 メイクだ。

 懐かしのガングロヤマンバメイクをしているのだ。

 何にせよ気絶するほどならばアイさんに診てもらったほうが良いかと俺はバケツを後回しにして彼女を背負うとネシンさんの家まで走った。

『疲れ果てて寝落ちとるだけじゃの、しばらく寝かせて起きたら飯でも食わせれば問題なかろう』

 アイさんにそう言われてホッと一息ついた俺は井戸まで戻り水を持ってくる。

 しかしなんだこの娘は?

 日本語を話すだけじゃなく間違いなく俺のことを名前で呼んだよな?

 まぁとりあえず起きたら聞いてみれば良いか。

 そう考えながら朝食の支度をする。

 焼肉は昨日嫌ってほど食べたのでまだ大量に残っている熊肉はローストビーフならぬローストベアーにするか、とりあえず下味をつけて表面を焼いてビニールに入れて低温のお湯で加熱する。

 そうしている間に米を炊き醤油ベースのタレも作っておく。

 レタスもどきをよく洗ってご飯の上に敷きその上に出来上がったローストベアーを薄切りにして載せてタレをかける。


 完成!ローストベアー丼!

 大量に作ったので彼女が起きた後も食べれるだろう、日本人っぽいのでインスタントの味噌汁もすぐ作れるように準備しておくか。


 とりあえず寝てる彼女はそっとしておいてみんなで朝ごはん。


「いただきます!」

『イタダキマス!』


『おお!コレは!』

 アミダラさんが舌鼓を打つ。

『焼肉とはまた違って美味いな』

 ネシンさんにも好評のようだ。

『美味しいけどタルタルソースも合いそうね』

 すっかりタルタラーと化してるメリルも満足げだ。

『お主の知識はどんだけ幅広いのじゃ?男の身でここまで料理ができるとは』

 アイさんはそう言うけどキャンプ飯で作ったものばかりだしスマホの電子書籍の中にレシピ本もあるのでメニューには困らないのが実情なんだよね。

『お兄ちゃんオショーユいっぱい使ってるけど大丈夫なの?』

 カリンが心配してくれて嬉しい限りだ、たしかに醤油の残りも心許なくなってきたので代用品も考えなきゃいけないな、ソマリンで魚醤とかか?でもクセがつよいんだよなぁ、大豆モドキってあるんだろうか?

 他のメンバーにも概ね好評だったしまた作りたいしね。

 ロウには塩胡椒のついてない中心部を抉って食べさせた、一応野生の魔獣だから香辛料とかは気を遣っておこう。


 食後の片付けを済ませてみんなでティータイムをしていると部屋のドアが開いて彼女が出てきた。

「おはようございます...」

 眠そうな声だがしっかりと挨拶してきた。

「おはよう、事情を色々聞きたいけどまずご飯でもどうだ?準備してあるから」

 俺がそう言うと彼女は。

「本当ですか!お腹すいたー!」

 とぱぁっと笑顔になった。

ローストベアー丼とお味噌汁を出してあげるとそれはそれは美味そうに食べ始めた。

そんな彼女をみていると。

『ねえねえヨーイチ...』

 メリルが袖をクイクイと引っ張って呼ぶ。

「ん?どうした?」

 俺が振り向くと。

『彼女何者なの?ヨーイチと普通に会話してるわよね?』

 そりゃそうだろ?日本語同士だからな。

『彼女話している音声とカリンが通訳してる内容がなんだけど?』

 ん?どう言うことだ?

「彼女の日本語だけそのまま伝わってるって事か?」

 俺がそう言うとみんな揃ってウンウンと頷いている。

 それってつまり...どういう事?

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