第88話 雲のない青空は、風の無いこんな日は
『おはようおにいちゃん』
『おはようございますヨーイチ様』
昨日はあの後ゆっくり風呂に入らせてもらってアミダラさん主催の打ち上げのような飲み会の後ぐっすり眠らせてもらった。
その席でアミダラさんが金袋を追加で渡して来て。
「ん?なんのお金ですか?」
と聞いたらベーコンとホットサンドメーカーの代金だそうだ。
なんでも俺たちが不在の時に好事家の貴族がやってきたそうでホットサンドメーカーをお買い上げしてもらったそうで食パンにも興味があるらしいので村に帰ったら食パン用の形も作ってもらって欲しいとのこと。
『形とメーカーの手付けも入っているので是非』
と言われたのでイアンさんに頼んで多めに作ってもらおうと決意する、代金はたんまりあるからね。
あとはサスペンション用の謎竹を切り出して持ってこないとな、これもアミダラさんとの約束だし。
そうやって村に帰ってからやるべき事を話し合っていたが酔った勢いだろうか?
『セバスチャン!セバスチャンはいるか?』
と執事さんを呼び出した。
『旦那様、如何なさいました?』
さすがは執事of執事、瞬時に来てくれた。
『ワシのスケジュール、空けれるだけ空けて何日取れる?』
というアミダラさんの問いに。
『おかえりの後多少の無理をしていただけるなら二週間ほどですが』
と答えるセバスチャンさん。
『よし!ならば私も村迄同行させてください!ネシン殿にも会いたいし村の技術力とヨーイチさんの知識があればさらなるヒット商品も生み出せそうだ!』
という事で撮らぬ狸の皮算用だけどアミダラさんも村に来る事になった。
出発までに終わらせれる仕事を詰めるとの事なので街には5日程滞在することになった。
そして朝、マリアとカリンにおはようの挨拶をしてもらったワケだ。
「モニング、カリン、マリア」
俺は覚えたての現地語で挨拶を返す、カリンには『おはよう』にしかならないけど。
せっかく勉強しているんだ、使って慣れていかないとな。
客間の寝室だがアイさんの家の流れでベッドをくっつけてみんなで雑魚寝みたいになってしまっている。
定位置にカリンとマリア、その横にメリルとセリス。
セリスに至っては「いや、家あるじゃん」と言ったら。
『ヨーイチ様は
とかいうからじゃあ泊まればいいじゃんって事になった。
元々マリアの家に泊まることも多かったらしく特段問題はないらしい。
で、だ。
『ヨーイチ、おはようなのじゃ』
などとのたまいながら人の股間を枕にしてやがるこのロリババアはどうしてくれようか?
『まったく、ヨーイチは幼女に対して扱いがひどいのじゃ』
あの後ムカッと来た俺はアイさんを撫でた。
カリン達にする優しく毛並みに沿って撫ぜるやり方ではなく小学生のクソガキが犬を怒らせるような感じの雑さで。
おかげで目の前のロリババアは髪がボッサボサで朝食を食べている。
溜飲は下がったが後でときなおしてやろう、何故って?笑いが出て飯も食いにくいからだ。
なんで雑に撫ぜただけで髪の毛がサリーちゃんパパみたいになってるんだよ!?
俺は笑いを堪えながら食事を飲み込むとアイさんの髪を直して街の散策に出掛けた、前回見て回れてない場所も多いからな。
金ならあるんや!
おっと、マリアやセリスの案内も良いんだけどどんな店があるのか調べて回るのもいいかな?
俺は街の門番の詰所に行ってこう言った。
「地図をください」
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