第58話 夢に見たよな君の横顔
どうしてこうなった?
あの後屋敷に帰り晩飯を食べながらアミダラさんと飲んだ俺はいい気分でベッドに入った。
風呂にも入り心地よい疲労感ですんなり眠れたのだが夜中に目が覚めた。
俺の左腕を枕に眠るカリン、また忍び込んできたんだな、愛い奴め。
そして右腕を枕に寝ているマリア。
おいおいどこの雑誌の裏のブレスレットの広告だよ。
マリアに至っては器用に股間の上の空間で手をワシワシ動かしながら熟睡している。
いっそ掴んでいてくれた方がツッコミで引っ叩けるのに。
驚いたのは良いが俺には火急の用事があった、おしっこ漏れちゃう!
俺は二人を起こさない様にそっと腕を抜くとトイレへと急ぐ。
「ふ〜、危なかったぁ」
トイレから出て手を拭きながら呟いていると端っこの寝室のドアがそっと開く。
なんだ?と覗き込むとラビを抱いたメリルが手招きしている。
なんだなんだとそっちへ向かうといきなり手を掴まれて部屋に引っ張り込まれた。
「おいおいどうしたんだ?」
と尋ねると。
『今日はエッチなことしてないみたいね』
と帰ってきた。
「だからあれはお仕置きだって言ったろう?」
そう言うとメリルはジッとこっちを見て。
『ヨーイチは酔っ払ってすぐ寝ちゃったけどあたしは昨日のことがあってなかなか眠れなかったの、そしたら隣の寝室のドアが開く音がしてピカリンとマリアの話し声が聞こえた後ヨーイチの寝室に入っていく音が聞こえたからまた変な声聞こえてくるんじゃないかって寝れなかったのよ』
それは申し訳ないと思って俺が起きたら二人が添い寝していただけと説明する。
『ふーん、添い寝してたんだ?あたしとラビはほったらかしで良いご身分ですこと』
メリルはご機嫌斜めな感じでそう言った。
ネシンさんと離れて付いてきてくれた上にカリンをマリアに取られて寂しい感じなのかな?
ここは大人の対応で。
「目が冴えちゃったし今日はメリルが寝付くまで一緒にいようかな?」
そう言ってメリルをベッドに寝かせてベッドの縁に座りラビとメリルを撫でながらたわいもない話をする。
『そろそろボク眠いんだけどイチャイチャしたいなら別の寝室行こうか?』
しばらく話してると急にラビが変なこと言い出すから。
「いやそんなのじゃないし!」
と言った声にメリルの現地語が重なる。
多分同じ様な意味でハモってるんだろう。
ラビが眠そうなのでおしゃべりはやめて撫でるだけにしようと思いながらふと思いついて言う。
「ラビ、最後にひとつだけ通訳して。
こっちの言葉でおやすみってなんって言うの?」
するとメリルが。
「ドリング」
と言った。
そのまま無言で撫でているとすぐラビが寝息をたて始め、メリルもうつらうつらし始めた。
メリルはボーッとした目でニッコリ笑って。
「ドリング、ヨーイチ」
と呟いて目を閉じる。
「ドリング、メリル」
俺はそう言ってクークー寝息を立て始めた二人を起こさない様に立ち上がるとそっとドアを開けて自分の寝室に戻るのだった...。
部屋に入るとそこは桃源郷だった。
昨日はマリアが暴走してカリンに襲いかかっていたので即チョップを入れたのだが今日は俺が退いた後眠ったまま性的な意味なしに抱き合って寝たのだろう例えるならば百合の花が咲いたかの様な光景が目の前にあった、それはいい。
二人とも抱き合う時に寝返りを打ったせいか服が...おっぱいギリギリまで捲れ上がっている!
いかん!俺はあそこに戻る勇気が出ない!むしろ違う物出るわ!
俺はくるりと回れ右してドアを閉めるともう一度トイレに行って抑えきれない気持ちを沈めてから真ん中の寝室で眠りについた。
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