第54話 交わした約束忘れないよ

「ふあ〜あ」

 いまいち寝れなかったが窓から光がさしていた。

 俺はベッドの上で体を起こし昨夜の事を思い出す。

 ああ...やっぱやりすぎたぁ!

 頭を抱えて悩む。

 成長しないおっさんである。

 コンッコンッ!

 ドアがノックされガチャリと開く。

 その音でカリンも目を覚まし通訳をしてくれる。

『おはようございます、ヨーイチ』と、入ってきたのはマリアさんだった。

「あ、おはようございます、どうしたんですかいきなり洋一様って」

『失礼しました、ご主人様の方がよろしかったですか?』

 いやいやいや、そうじゃない。

「そういう趣味はないから!ご主人様とかアミダラさんの前で言ったらマズいでしょ!」

 そういう俺にマリアさんは。

『ですが昨日ヨーイチ様は「俺以外の×××ピーを咥え込むような×××ピーには...ってお兄ちゃんはそんな事言ってません!』

 おおう!妹様がお怒りだ。

『申し訳ありません、ですが昨日の事で自覚したのです、わたくしは自分の欲望のままに殿方としまくって...それはもうりまくっていましたが昨日のような快感は初めてだったのですわ』

 おっとやばそうなら途中で止めるか?カリンは横にいたのでなんとなくわかっているだろうが(エッチって言われたし)あまり下品な言葉は訳させたくない。

『そんな新しい世界を開かせていただいたのでヨーイチ様、と。

 そうお呼びしたいのですわ!』

 ふむ、なるほど。

「まぁ様付けで呼んでもらうのは結構だけど俺も軽々しく手を出すつもりはないからね、まずは塩の仕入れをきっちり手伝って欲しい」

 それで生活態度を改めてくれるならこっちには断る理由もほとんどないけどそんな事カリンに通訳させれないわな。

『わかりましたわ!私の手腕存分に期待してくださいませ!それからカリンさん...』

 お?なんかレディ同士の内緒話か?

「ゴニョゴニョ」

 カリン向けの内緒話なので通訳は無しだな。

『えっ?でも妹としか...』

 通訳無しでもカリンの発言は聞こえてしまうんだよなぁ、これ席外したがいいのかな?

「ゴニョゴニョ」

『はい、はい...』

【あら?この子魔眼持ちね】

 ん?なんか小さな声が聞こえた気がする。

「ゴニョゴニョ」

魅了チャーム持ちかぁ、ちょっと記憶スキャンしてみるかしら...なるほど、幼い頃に魔獣相手にチャーム使ってしまって襲われかけたのね。

 本人は相手を発情させる力と勘違いしてるみたいね】

『はい!望むところです!』

 お、なんか話ついたみたいだな。

『というわけでカリンさんともお話しした結果旅に参加させていただくことになりました!改めましてよろしくお願いいたしますわ!』

 詮索する気は無いけれど一体どんな結託コネクトしたんだか?

 コンコンッ!

 音に振り向くと開けっ放しのドア枠に背中を預けたメリルちゃんがドア板をノックしていた。

『執事さんが朝ごはんできたって言ってたわよ、何を朝からゴニョゴニョ言ってんのよ』

 と、若干不機嫌そうに。

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