第25話 スミスの新たな道(後編)
マツリソウ:人間の皆さんこんにちは、メイド兼ナレーターのマツリソウにございます。人界へ帰るか魔界での永住を決めるか迷う中、ご近所様からのアドバイスを受け職安へ向かったスミス様。果たして彼が導き出した自身の答えとは?
前回より翌日 魔界時間16:01 帝王都サタンヘイルダム 職安すこやかワークス
???:来たね、昨日の話の続きだけど、アンタの履歴書見させてもらったよ。
スミス:相変わらず名は教えてくれないんだな。
おばちゃん:それは勘弁しとくれ、その代わりおばちゃんとでも呼ぶと良いさ♪
スミス:どこからどう見ても俺より年下、20代前半にしか見えないが?
おばちゃん:実年齢はアンタより遥かに上さね♪さて、本題だが・・・
スミス:ちょっと待て、俺は履歴書なんて書いた覚えはないのだが。
おばちゃん:履歴書は閻魔庁に問い合わせれば履歴書作成ソフトで出来るもんさ♪それよりアンタ、喫茶店経営が夢なんだって?
スミス:ん?ああ、そうだ。
おばちゃん:なら、ここへ行ってごらんなさいな。きっとアンタに合った道とやらが見える筈だよ♪
スミス:ふむ、行ってみるか。
職安を出る
???:お
おばちゃん:そう言いなさんな、それより例の場所に奴等は出たかい?
???:ええ、貴女様の予見なされた通り、空港にて税関がそれらしき地龍神が確認されました。天界宇宙の例の組織と見て間違いないでしょう。
おばちゃん:天界宇宙の法で人は神罰対象でない限り直接危害を加える事が禁じられている。でも人や私達魔族が神に危害を加えれば神罰対象となり魔界の司法は手が出せなくなる。その代わり・・・
???:神が人に正当な理由無く危害を加えれば人間側の正当防衛が確立する・・・ですね。相変わらず、そういう所にはよく頭の回る事で。貴女様は本当に厚生医療省の方か未だ疑ってますよ。
おばちゃん:酷い言われようね♪
『帝王都内メインストリート 喫茶スネイル』
複数の地龍神に囲まれる不動産社員
地龍神A:だ〜か〜ら〜よ〜、地龍神様である俺様達がこの土地を建物ごと買ってやると言ってんだ!不動産屋ならさっさと物件売りゃ良いんだよ!
地龍神B:聞いてんのか、ああん?
社員:で、ですから!この物件は既にさるご高名なお方と契約が成立、つまりもう買い手が見つかってるんですよ‼︎
地龍神A:高名って言ってもどうせ薄汚い魔族なんだろう?それに対して俺等は崇高な神様なの!だから売ってくれよ〜、な?それとも、痛い目に遭わないと分からないか〜?
社員:勘弁してください!
地龍神の拳が社員の顔に迫った瞬間拳を受け止めるスミス
地龍神B:だ、誰だ!
スミス:神は全てにおいて平等であり、争いを好まず暴力は何も生まぬが故自ら暴力を振るう事はない。俺達はガキの頃そう教会で教えられたモンだがな。
地龍神A:なっ!人間だあ?人間風情がナメた口聞いてんじゃねぇぞ‼︎
横からもう1柱の地龍神がスミスを殴り飛ばす
スミス:チッ!不意打ちとは神のする事じゃねぇな。
???:スミス様、これで正当防衛が成立します。それで法的に神といえど遠慮なく反撃出来ますよ。
スミス:誰だか分からんが、そういう事なら・・・
地龍神達が全滅する
地龍神A:う、嘘だろ。地龍神5柱相手にたった1人でぜ、全滅だと⁉︎人間如きが
???:そこまでだ!
地龍神A:さっきの助言といい、誰だテメェは!
静穂:魔界宇宙中央政府、厚生医療大臣の下で秘書官を務めさせていただいておりますヴァンパイアロードの
地龍神A:こ、厚生医療大臣の澄夜だと⁉︎
静穂:貴方達はまさか、中央政府閣僚クラスがご購入なさったこの物件に手を出そうとなさっていたのですか?そうなれば貴方達の黒幕は社会的な致命傷を負う事になりますが、それでも宜しいですか?
地龍神A:クッ!このままで済むと思うなよ‼︎
スミス:助かった。
静穂:いえ、礼には及びません。それにこの物件はおばちゃんに頼まれた友人の澄夜様が貴方のために用意したものなので。
スミス:俺に?何か見返りがあるのか?
静穂:いえ、見返りなど求めません。これは魔界宇宙全土が古来より続けている人魔和平計画の一環ですので。
社員:あ、貴方がスミスさんでしたか。これ、この土地と建物の権利書です。あと、これは喫茶店の鍵です。
スミス:俺はまだやるとは・・・
静穂:おばちゃん様からの伝言を預かっております。魔族に命を救われたなら、アンタの出来る事で恩返しするのが筋ってモンじゃないのかい?それに夢だった喫茶店もやれて一石二鳥じゃないか♪・・・だそうです。
スミス:フッ、なかなか喰えないな♪ならやってみるか。
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