第21話 奇病!蠱毒融合症(手術前編)

 マツリソウ:人間の皆さんこんばんは、ナレーター兼メイドのマツリソウにございます。虹蛇による蠱毒融合症の解決策が見つかったとの事でいよいよ手術開始にございます。


 魔界時間20:27 帝王都サタンヘイルダム 瑠空総合病院 診察室


 医師:それではスミスさん、手術の説明をさせていただきます。


 スミス:宜しく頼む。


 宙に浮いた液晶モニターに映る複数のレントゲン写真の画像


 医師:医療学会で正式に発表されたこの症例は魔界宇宙でも前例が無く、極めて珍しい奇病です。治療法が無いというわけではありませんが、極めて難しい手術でした。


 スミス:でしたということは、新たな治療法が見つかったと?


 医師:はい。そもそも虹蛇というのは神獣の部類にあたる生物なのですが、夜になると時空魔法の類が有効であると判明しました。そこで手術室に特殊な空間加工を施し、対象の時間を止めての手術となります。


 スミス:それは分かるが、何故夜なのだ?


 医師:虹蛇は日中活動し、夜は眠っております。そこで、完全に眠るこの時間帯が絶好のチャンスなのです。


 スミス:夜を徹する手術か。


 医師:タイムリミットは活動が活発になり始める午前4時、これを過ぎると神聖力も活発になり自力で時間凍結フィールドを打ち破る危険性があります。


 診察室に入る看護師


 看護師:先生、手術の準備が整いました。スミスさん、移動の方お願いします。


 スミス:分かった。


『特殊空間医療棟 時空間手術室前』


 瑠空:スミスさん、いよいよです。私達は最善を尽くします!

 

 スミス:ようやく、人に戻れるのだな。 


 瑠空:必ず元に戻してみせます。 


 看護師:院長、そろそろお時間です。


 瑠空:分かりました、ではお先に。  


『手術制御室』


 オペレーターA:時空間手術室、スタンバイ完了しました。


 オペレーターB:摘出対象の虹蛇、予定通り活動を停止を確認。これより、時空凍結を開始します。 


 手術室の瑠空達と通話する白緋


 白緋:次元エネルギーは時空エネルギーと反発する性質を持ち、時空の流れをき止める作用があります。先ずは虹蛇の脳と心臓部を次元コーティングを施し、隔離をしてから霊体剥離れいたいはくりを行って下さい。


 瑠空:分かりました。


 白緋:先に脳と心臓部を隔離する事で最も危険な部位の活動を完全に止める事が出来ます。霊体剥離後、肉体と霊体を繋ぐ霊子線たまのこせんに絡み付いた虹蛇の霊子線を切り離せば後は肉体に残留している虹蛇の霊子線を除去すれば手術成功です。


 深く深呼吸して気を引き締める瑠空


 瑠空:これより、時空凍結手術を開始します!


 後編へ続く・・・



















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る