模擬戦と雑談
「はぁ・・・はぁ・・・ッ!!」
息を落ち着かせて照準を合わせてマシンガンから弾を放つも隊長に紙一重で躱される。
ユッカさんがタイミングを合わせて攻撃をしようとするけど、セラさんの銃の弾幕に妨害されて動けません。
現在、私達は射撃場の隣にあるスペースで模擬戦をしています。
今回の作戦ではペアで動くとのことなので、模擬戦しながら色んな組み合わせのペアを試しているそうです。
今は私とユッカさんのペアと隊長とセラさんのペアで模擬戦を行っています。
装備はゴム弾と真剣では少し危ないのでペイント弾と木刀使って、グレネードは全部煙幕手榴弾です。
催涙ガス手榴弾は模擬戦だとやりすぎですからね。
因みにナギさんとバロックさんは私達の前に隊長達と戦ったので休憩中です。
そんなわけで私達は隊長と戦っているわけですが隊長達えぐいんですけど
模擬戦開始直後にいきなり煙幕手榴弾を投げ込んで私達の動きを止めた所に、ユッカさんを無視して私に攻撃を集中してきました。
私は近づけないために弾幕をばらまいて後ろに下がろうとしましたが、隊長は構わず前に進んで攻めてきます。
ユッカさんはカバーのために動こうとしましたがセラさんの弾幕の前に妨害されて動けません。
と言うかセラさん二丁持ちしてませんか?
模擬戦で使っている銃の弾はペイント弾なんですけど、反動だけは実弾と同じくらいのが出るように改造しているってカルセさん言っていたはずなんですが、セラさんは普通に脇で挟んで撃ってますね。
流石に走りながら撃ってはいませんが、二丁の銃から放たれる弾幕を前にユッカさんは攻めあぐねています。ですが、セラさんの攻撃がこちらに向かないようにユッカさんが動いてくれています。
私も頑張っていますが、隊長素早くて当たらないしペアの練習の意味ないような気がすのですが・・・
「隙だらけだぞ」
「え?」
私がユッカさんの方を見ていると隊長が接近して私のマシンガンをはじいて、がら空きになった胴に木刀で一撃を入れました。
「うぉ・・・」
お腹に一撃もらって自分で出したことないような声を出してしまいながら、私は膝をついて、その隙を逃さないように隊長が私の頭目掛けてに木刀を頭に振り下ろしました。
私は咄嗟に目をつぶりましたが、いつまでたっても攻撃が来ないので目を開けると寸止めさています。
「・・・まいりました・・うっ」
降参のセリフを言ったあと胃の中身が戻ってきそうになったので慌てて口を押えました。
「すまん、少し強かったか?」
隊長が心配してくれそうに顔を覗いてくれます。
「いえ・・・大丈夫です」
「そうか?とりあえず私はこれからユッカを仕留めるから、巻き込まれないようにナギ達の方にいてくれ」
そう言って隊長はユッカさんをリンチしに行きました。
ヨロヨロと立ち上げってナギさんの方に歩き出した時に後ろからユッカさんの悲鳴が聞こえます。
ごめんなさいユッカさん
数十分後
結構粘っていたユッカさんが隊長と銃床で殴ってきたセラさんの一撃をくらって床に沈みました。
大の字になってのびているユッカさんを隊長がおぶって運んできます。
「お疲れ様です隊長」
予め作っていたらしいプロテインを飲みながらナギさんが隊長に声を掛けました
「ありがとうナギ」
そう言いながら隊長はソファーにユッカさんを寝かせました。
「アイビーはもう少し近接を鍛えたいな。
遠距離だけでは一人になった場合が不安だからな」
「そうね~もう少し近接での動きを覚えた方がいいかもね~」
「え?一人で行動したりするんですか?」
「あくまで可能性の話だ
だが分断されたりした場合等に対応できるようにしておかないとな」
隊長はセラさんを見ながら言いました。
「隊長~?」
「セラ、アイビーに教えてあげて欲しい」
え?隊長が教えてくれるんじゃないのですか?
「その流れなら隊長が教えてあげる流れじゃないの~」
セラさんも同じ考えだったようです。
「私は近接武器の使い方なら教えられるが、遠距離武器については運用方法しか知らない。
だから頼む」
「・・・わかったわ~」
そう言ってセラさんがこっちを向きました
「じゃあアイビーちゃん早速だけど始めましょうか~こっちに来てね」
そう言ってセラさんは先ほど模擬戦を行っていたところに歩いていき、こっちに手招きしています。
「お、お手柔らかにお願いします」
そう言って私はセラさんの方に歩いていきました。
アイビーさんがセラさんに教えてもらっているのを見ながら
「セラさん張り切ってますね」
私は作っておいたプロテインを飲みながらアイビーとセラの模擬戦を見ていました。
「そうだな、セラにとっては初めての後輩だからな、少し舞い上がっているように感じる」
「大丈夫でしょうか?」
「何、教えるべきことはキチンと教えているようだし大丈夫だろう」
「そッスねー」
振り返ると頭を掻きながらユッカさんが起き上がりました。
「ユッカさん起きましたか。大丈夫ですか?」
「ちょっと頭がクラクラするっス。隊長やりすぎじゃないっスか?」
「生半可な攻撃をしたら、お前は反撃するだろう?」
「・・・まぁそっスけど下から木刀、上から銃床でサンドイッチするのはやめて欲しいっス」
「検討しておこう」
隊長はバナナジュースを飲みながら言いました。
「そう言って隊長がやめたのを見たことがないっスけど」
実際あのセリフを言った隊長はやめたことがないような気がする。
「気のせいだユッカ、それよりも次は私とペアだ準備しておけ」
そう言って隊長は立ち上がり、ユッカさんの頭に木刀を当てて急かしました。
「・・・あの、一応先ほどまで気絶してたんスけど?」
「知らんな、その程度でどうこうなるお前じゃないだろう?」
「まぁ実際そうなんスけどね・・・わかりましたよ」
ユッカさんはソファーから飛び上がって立ちました。
「では相手をしてもらおうかナギ、ユッカ」
・・・まぁそうなりますよね
「ナギさん・・・」
バロックさんが絶望した顔でこちらを見てきました。
無理もないですね隊長とユッカさんは同期で一番多く現場を潜り抜けたので、隊長とユッカさんのペアはコンビネーション抜群ですから
「覚悟しましょうかバロックさん」
そう言いながら私は装備を持って立ち上がりました。
向こうを見るとペイントだらけになったアイビーさんがセラさんの話を聞きながら歩いてきます。
二人とも顔がキラキラしていて、いいですね。
バロックさんの顔は暗いですので対象的です。
まぁ仕方ないですよね、なにせこの部隊で一番のコンビを相手にするのですから
だとしても簡単に負けるものか!!
そう思いながら私は模擬戦をする場所に歩き出しました。
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