第19話 菜々子…

6月1日

菜々子は失ったものがあった。

虚無…疲れたなと まだ何も始まっていないのに それでも大きな波はすぐそこに来ていた。明日は職場へ向かう会議だけの退屈な

1日になるだろう。

悲しくて辛くて諦めたものは…忘れればいい

どれだけの時間がかかるだろう。

菜々子にとって この悲しみは…涙が止まらなくなるのは まだ5本の指に入るだけしかない。こんなに生きてきたのに今までが 幸せすぎたのだろう。

早く時が過ぎればいいのに…そんな菜々子は

今日も布団を敷くことはなかった。

やり場のない気持ちに襲われる。


菜々子もう頑張るなよ!もう1人の菜々子が

言い聞かせるが 歯を食いしばってもどうすることも出来なかった。

家族とも上手くいかず…居場所を失った菜々子は もう求めるものすら失っていた。

求めなければ苦しむこともない。

学習能力ゼロに近いが 今はそれしか考えられない。こんなに辛い想い出なんて要らないよね…。自分しか信じられなくなる瞬間は

絶望に近い。


この前まで元気だった菜々子だったが消えるわけにはいかなかった。戻ってきて…

何に対して訴えているのだろう。とにかく

戻ってきて欲しい。私の生きる道…

道なき道をを切り開いて生きてきた菜々子が

こんなに弱くなったのは他でもない。

解ってもらえない時 菜々子は受け止めても

菜々子の気持ちは誰にも受け止めてはもらえなかった。


負けそう…

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