第4話 草むらに隠れて本を読んでいる小学生見っけ!

 ただいまー

 僕は家のドアを開け、玄関で靴を脱ぎ、リビングへと入っていく。


 そして、水道水を一気飲みし、テレビをつけた。

 ついに来たか、今週も、


 それは僕の好きなアニメ、ポ〇〇ン。

 中学生にしては子供向けアニメだと思うかもしれないが、これが案外面白い。

 特にピ〇チュウが可愛い。

 可愛いすぎてたまらない。


 ピ〇チュウを堪能した後は、しいたけとFPSでマルチを5時間くらいした。

よく分からないが、しいたけは運動音痴のくせにゲームは超上手かった。キャラコンもエイムもプロ並みだ。だから僕はいつもキャリーしてもらっている。


 そして、ゲームの後は今日の宿題を3時間やって、お風呂に入り、ベッドについた。

 ふと、カーテンの隙間から光が漏れ出てるのを感じた。


 もう、朝じゃねぇかぁぁぁ!


 僕は1分しか寝ることが出来なかった。



 あー眠い、今すぐ高級ホテルのベッドで眠りにつきたい。

 睡眠時間1分の今日は死ぬほどだるかった。

 学校に来た時、しいたけからはゾンビみたいと言われた。

昨日夜を共にしたしいたけは何故かピンピンしてた。

まさか、僕が終わってからもずっとやってたのかこいつ・・・。


 HRが終わり、いつもならこのまま一人でダッシュして帰るところだが、僕にも新しく入った部活があるのでそちらにいかないといけない、それにしてもあー眠たい。

 僕は昨日のような野球部の自己紹介みたいなのはせず、ただ単に、こんにちはと言った。続けてしいたけも言った。

 部室にいたのは、部長と髪が白い人だけだった。


「よし、これで今日来れるやつは全員来たな」

 部長が僕らを見て言った。

 僕たちは席へ着き、前で部長が活動内容を言った。

「では、今日から再び本格的な帰宅部の活動を始める。アルトとしいたけはゴミ処理場へ僕と鳩サブレーは部室へ残る。では作業開始!」

 そう言って部長は何かしら準備を始めた。



 或留斗先輩、あだ名アルトは、外出をするためか、サングラスを装着して、日傘を持った。

 僕、しいたけは疑問に思いつつ、学校の外へ出て、ゴミ処理場へと行った。


 ゴミ処理場へ行く途中、河川敷が見えた、下では、小学生たちが野球をしていた。

 僕がぼーっと見ていると、アルト先輩はここで少し休憩しようと言って、河川敷の草むらへと座った。僕も流れで座る。

 相変わらずアルト先輩は日傘をさしたままだ。


「しいたけくん、君は野球をしたことがあるかね?」

 いきなりアルト先輩が喋り出す。


「まあ、鳩サブレーとキャッチボールをしたことくらいなら」

 今でも覚えている。

 小学校の六年生ごろ、通っていた塾を鳩サブレーと一緒にこっそり休んで、近くの公園でキャッチボールしたことを、グローブは鳩サブレーに貸してもらい、ボールはそこら辺に落ちていたテニスボールでやった。


 そこで、僕が間違えて高く投げてしまい、向かいの一軒家の窓をバリンと割って、やべぇとなり鳩サブレーと一緒に逃げたのは今でも覚えている。


 翌日お母さんと一緒に謝りにいって解決したが、帰り道にお母さんにこっぴどく叱られた。

 塾を休んだこと、謝りもしないで逃げたこと、他にも色々と、結局この中学には補欠で受かったが、塾なんてサボらなかったら普通に受かっていただろう。

まあ受かれば補欠だろうと問題ないか。

 そんなことを考えていると、アルト先輩の話は進み出した。


「そうか、ちなみに僕はそんなことしたことない、出来なかった」


「何故ですか?」


「そういう病気なんだ」


「へー」

 そういうつつも、そういう病気にかかってそうには見えないなあ、と思いながら、河川敷で野球をしている小学生を見ていた。


「見えるか、端っこの方、」

 僕は河川敷の端っこの方を見た、すると、2人くらいの男の子が草むらに隠れながら、本を読んでいた。


「あの2人は何をしているんですか?」


 今さっき思った素朴な疑問だった。

 でもまさか、先輩の口からは衝撃的な言葉が出た。





「エロ本を読んでいるんだよ」

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