さて、今日もエロ本を調達しに行きますか!
凛陰
活動内容編
第1話 おい、珍しいクラブがあるぞ!
キーンコーンカーンコーン
HR終了のチャイムが鳴る。
そして、部活に入ってる連中は一斉に部活に行った。
それもそのはず、僕の通う東西中学校は、いちよう私立で偏差値も高く、そこそこ設備も整っている。
そしてなんと言ってもすごいのは部活に入っている人の割合。
僕の中学校全生徒の合計が2000人に対し、クラブに入ってるやつは9割5分だ。
いや多すぎだろ·····。
どんだけみんな陽キャなんだよ。
え? お前は何部に入ってるかって?
それは、
まだどこにも入っていない!
入学式から約半年すぎた今、正直このまま帰宅部でいいんじゃね? と思っている。
ぶっちゃけ50人に1人の逸材だし、希少価値だし。
しかし、お母さんに帰宅するたんびに僕は早く入部しなさい! と怒られる。
それが、もううんざりなのだ。
今日もこうして部活を探しているが、一向に入りたい部活が見つからない。
そんな中、僕の帰宅部仲間でもあるしいたけが、声をかけてきた。
「お、どうした鳩サブレー、また部活のことで悩んでんのか?」
見ればわかんだろと思いつつ僕は必死にどこの部活に入るか悩んでいた。
ちなみに、さっき話しかけてきたしいたけ、
顔は若干茶髪で天然パーマなこと以外は何一つそこらへんの一般人とは変わりない。
しいたけというあだ名は単純に天然パーマと茶髪のせいもあってか、髪の毛がしいたけの上の部分にしか見えないからだ。
ちなみに鳩サブレーとかいう美味しそうな名前のやつはずばり僕だ。
名前は
まあ、鳩サブレーおいしいからべつにいいやって感じだ。
こうやって自己紹介している間も僕はいい部活を探していた。
最初はすぐに部活に入れると思ったんだけどなー。
そう落ち込んでいる僕を見たせいか、しいたけが僕のことを励ますかのように言う。
「とりあえず、何か適当に面白そうな部活に入ってみろよ」
「いやー、適当に部活入って二ヶ月で退部したお前だけには言われたくなかった」
「だよな!」
「何で共感してんだよ」
結局この日も入りたい部活は見つからなかった。
翌日の放課後、僕はまた、しいたけと一緒に部活を探していた。
「面白そうな部活ねえな」
そう言いながら、部活一覧表のページをめくっていく。
「おい、鳩サブレー!この部活はどうだ!」
そう言ってしいたけが指を指したのは全50個の部活一覧表に載ってない全500個(中には廃部したやつも載ってる)の部活一覧表・裏に、載っていた一つの部活が僕の心をくすぐらせた。
ちなみに部活一覧表・裏は先生の机からこっそり奪い取ったものだ。
それは、「カカポ研究会」という部活だった。
他にも部活一覧表・裏には「筋トレ部」や「推しを愛でる部」「性部」などがあった。どれも気になったが危ない気がしたので(特に最後のやつは)やめといた。
「なんか面白そうだな!」
「そうだろ、そうだろ、カカポっていうのはよく分からないけど今まで見た中で一番ビビ! って来るしな!」
「そうだな、明日が楽しみだ」
今晩は、なかなか眠りにつけなかった。
そして翌日の放課後、カカポ研究会のある旧校舎1階の部室へ、僕としいたけはやってきた。
「どんなやつがいるんだろ?」
「さあ?きっと、ものすごくカカポ? に詳しい人たちじゃね?」
カカポ研究会っていう名前だからそりゃそうだろう。
うっすら英会話教室と書かれた部室を開ける。
「仮入部に来ました!黒井渚です!」
何故かその声は部屋中に響き渡った。
そして、僕たちが見た光景というのは、机にホコリが被っていて、明かりが点いていない、寂しい部屋だった。
「えっ? ここって、もしかして」
きっとそのもしかしてだったんだろう。
つまりこの部活は、「廃部」ということだ。
僕は、また部活を探さなければいけないのかと思いがっかりした。
「君たち、こんなところでなにを突っ立ってるんだ?」
突如後ろから声がした。えっ?と思って、後ろを振り向くと、一人の生徒がいた。
上靴やブレザーにつけている校章の色から、二年生だと判断した。僕はこの状況はまずいと思い、
「あっ!すいません」
と何故か謝ってしまった。
するとしいたけが冷静に対応してくれた。
「ここに、カカポ研究会という部活があると聞いたのですが、ここは本当にカカポ研究会の部室なのでしょうか?」
すると生徒はハハハと笑い
「カカポ研究会はもう去年で廃部したよ、今となっては帰宅部の部室だ」
帰宅部? 帰宅部って、僕たちのようなどこにも所属してない人たちのことを言うんじゃないのか? と思った。
「よかったら君たちも帰宅部に入ってみないか?」
帰宅部と聞かれると少々いやな感じもするが、その生徒の顔と目を見る限り、悪い感じはしなかった。
それに、野球部とか吹奏楽部よりかは断然ましだなと思ったので入ることにした。
「是非入らせてください!」
とてもはっきりと言った。
その様子にしいたけも驚いたが、僕に続いて、入らせてください!と言った。
後日、僕としいたけは帰宅部へ仮入部することになった。
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