五話 終末の星–The End of the Stars-(エンドオブスター)
ウルの手を取り再び探索を再開した。
ウルは言葉こそ発さないが此方の言葉には身振りでなんとか応答してくれる。
僅かな時間ではあるが無言で歩き続けていた時に比べてウルも表情豊かに応答してくれている。
しかし出会った直後に名前を口にしていたから言葉が喋れないというわけではない筈だ。
信用されていないからなのか、単純に言葉を理解しきれていないからなのか理由は判らないが…
歩きながらそんなウルに再び質問を投げかける。
「俺は今、元の世界に帰るために手掛かりを探している。ウルはこれからどうしたいと思っている?」
俯いて考え込んでいる様子をウルが見せた。
どうやら内容は理解している…のか?
「この世界に留まりたいか?」
「………。」
俯いたままで応答らしい反応は帰ってこない。
「じゃあ、俺と一緒に来るか?」
首を上げたウルが此方を見つめて、繋いだ手がより強く握られた。
「えっと…付いてきたいって事でいいのか?」
コクリと縦に首を振った。
「そうか。じゃあこれからは一緒に行動しよう。」
俯きながら微笑むウルを撫でて再び前を向いた。
暫く歩いていると目印に置いておいた煙草の箱が視界に入る。
どうやら最初に登ってきた崖上の地点に戻ってきた様だ。
結局、これまでの道中で元の世界に戻れる様な手立てや情報は特に見つからなかったな。
見つけたものと言えば当面の食糧くらいで後は泥の女とウルに遭遇したぐらいだ。
只歩いていただけでこれだけの事があっただけでも収穫だと思うべきだろう。
しかし調べるべきものは他にも目星が付いている。
一つ目は天に伸びる巨大な水晶の柱。そして二つ目は周囲に幾つも存在する空間の割れ目の様な穴の数々。
ウルに会う事もなく一人で行動していたなら、このまま真っ先に亀裂の穴に向かっていただろう。
しかしこれから一緒に行動するウルの事を少しでも知っておく為にもこの世界の事をある程度調べるべきだ。
ウルと泥の女が同一人物であるかどうかはあくまでも推測であって根拠は何も無い。
何事も無く接している様に見せているが本心では接する度に心の奥底で恐怖の感情が細波を立てている。
二人が全く違う人物であると解ればこの恐怖の感情も拭えるのだろうか。
兎にも角にもにも今は多くの情報を集める事が先決だ。
天に伸びる水晶の柱の中でも一際大きく聳え立ち交わる二つの柱の片割れを指差す。
「先ずはあの柱に向かって歩いて行こう。森を抜ける必要があるから結構な距離を歩く事になるが問題ないか?」
ウルは頷くと徐に羽織っていた衣に手を掛けて放る様に投げ捨てた。
「ちょっと待て!裸が見えてしまうだろう!」
掌で視界を遮りながら慌てて衣を拾おうとした。
しかし投げ捨てられた衣は地面に落ちる事なく、その場で波打つ様に宙に浮いていた。
「これは…魔法の絨毯か?」
ワイシャツ一枚を羽織ったウルが首を傾げている。
気恥ずかしい思いをしながらもシャツを着せておいて良かったと心の底から思った。
それでも目の遣り場に困る格好ではあるが…
浮遊する衣に触れているとウルは何の躊躇もなく上に飛び乗る。
試しに食糧用の玉を包んだ上着を置いても沈む事はない様だ。
恐る恐る片足を乗せてみた。
乗り心地としてはウォーターベッドの上に乗った様な感覚だが衣の表面が石の様に硬い為かしっかりとした踏み心地がある。
よく見てみると艶やかで硬質な小粒の鱗が一枚一枚規則正しくビッシリと並んで煌めく様に光を反射していた。
「これはすごいな。移動もできるのか?」
ウルが頷き自分の隣を手で叩いている。それにつられて横に座り込むと浮遊した衣は先程指を指した柱に向かって天高く飛び立っていく。
「これなら楽に移動ができるな。森の様子も俯瞰して確認できるし何より楽しい!」
頭を撫でながらウルを褒めると満面の笑みを浮かべて頬を赤らめた。
その様子を横目で覗きながら光に覆われた森を眺めていく。
空飛ぶ絨毯の速度は体感では車と同じくらいで二人で歩いていた時に比べると圧倒的に速い。
此処に来てようやく周囲の全景をおおよそ把握出来る様になった。
最初に居た崖底を中心として大空洞の様な穴が広がり、その周囲には先程まで居た森が広がっている。
森の所々から飛び出している巨大な水晶の柱は周囲を囲いドーム状を模どるように天に向かって生え伸びている。
檻の様に周囲を囲っているその形状は例えるなら現代アート風の歪な鳥籠だ。
その鳥籠の周囲にも森が生い茂っており、森を抜けた先を大小様々な無数の空間の割れ目が世界を侵食する様に取り囲んでいる。
裂け目と裂け目の隙間を抜けた森は粉の様な物を吹き上げながら消え去り、その先は暗闇が広がっていた。
他の生物がいるかどうかに関しては見た限りそれらしきものは見当たらない。
地を駆ける動物や空を飛ぶ鳥がいる気配もない。
地表に居た時もそうだが、微かに水が滴る様な音以外は特に何も聴こえてこなかった。
辺りは静寂に満ちている。
星の終わりの只中に辛うじて存在している取り残された空間。そんな寂しい表現が適切なのかもしれない。
始めはあの裂け目に向かおうとしていたがこの光景を目の当たりにするとそれは間違いだったのかもしれない。
もちろん危険やリスクがある事は予期していた。
それでも別世界へと繋がる可能性がありそうなものとして認識していたが周囲を消し去る様子を見て、それだけでは済まないと思わせるものだと直感的に感じた。
試すとしても一か八かの最終手段として考えていた方がいいだろう。
これだけの状況を把握できただけでもウルが一緒に居る事に利点はあった。
これだけ便利な移動手段があれば時間の短縮はもちろん活動範囲の拡大もできるし、食糧調達も楽になる。
未だ泥の女との関係性に疑念は残るが今の所は危険を感じる様な素振りは見せていない。
泥の女に関するリスクの方が遥かに大きい状況ではあるが、今は利用できるものは利用していかなければ事が進まない。
やがて目的の水晶の柱の中腹付近に到達した所で着地しやすい場所を指差してウルに指示を出した。
柱に降り立つと衣は巻きつく様にウルを包みこみ、肩に掛かって覆い被さっていく。
「便利な代物だな。この衣はこれ一枚しかないのか?」
他にもあれば便利だなという軽い気持ちで聞いてみた。
ウルは手を前に出して瞑想するように目を閉じる。
するとウルの手から淡い光が放たれ周囲に広がっていく。
やがて放たれた光の粒子が形を成していき、同様の衣がウルの手に掛かる様に姿を現した。
「おおっ!なんか出てきたっ!」
差し出す様に手渡してきた衣を受け取り羽織る様に肩に掛けてみる。
「これはウルが作り出した物だったのか。見た目の割に軽いし仄かに温かい。肌触りもなかなかの代物だ。」
驚きの連続ではあるが立て続けに予測の範疇を超える出来事に遭遇した為か驚きつつも平静を保てるようになってきた。
「ありがとうな。」
ウルが頭を向けてくる。どうやら撫でられる事が大そう気に入った様だ。
それからウルはフワリと宙に浮き、じっと此方を見つめてくる。
どうやらこの衣は羽織るだけでも空を飛ぶ事ができる様だ。
どんな原理でそんな事が出来るかは分からないが、とりあえず自分もウルと同じように宙を浮いている様なイメージを想像してみた。
しかし一向に宙に浮く事は無い。
「どうやって宙に浮いているんだ?」
ウルが人差し指を立てて指を曲げると、その動きと共に体が宙に浮いていく。ウルが左右に指を動かすとその方向に合わせて浮遊移動していく。
同じ素振りを真似てみたが一向に反応はない。
「これはウルが動かしているのか?」
コクリと頷く。
どうやら操作の主導権はウルにある様だ。
自分の意思で動かす事が出来れば更に便利だったが、それでも移動が楽になるという面ではかなり助かる代物だ。
ウルに指示さえ出していればいいだけの様なので寧ろ楽といえば楽だ。
ウルに指差しで指示を出し頂上を目指していく。
巨大な柱ではあるが所々に分岐した柱が入り乱れている為、魔法の絨毯の様な乗り物での移動が困難な場所もある。しかし衣を纏った状態であれば細い道でも難なく進行できる。
目指すは頂上の二つの巨大な柱の先端が交わる部分。
ゲームなんかではああいう場所にレアなアイテムやストーリーを進めるイベントがある事が多いという何の根拠もない理由ではあるが…
ゲームであればそういう事も有り得るが正直あまり大きな期待はしていない。
現実的に考えれば何も無い可能性は十分にあるし、何かあっても何かの祠や山頂の目印なんかがある程度だろうか。
後ろにいるウルの様子を見ながら指示を出しつつ進行していく。
疲れている様子はないようだが念のため休憩を何度か挟み、泥の女の一件もあったため慎重に辺りを確認しながら進んで行った。
頂上の様子が視認できる所まで登ってきた所で一旦立ち止まった。
二つの柱の先端が交わる部分に祠にも見える球体型の建造物の様な物が目視できた。
人の手で作られた様な造りではなく何かしらの力で無理矢理歪められた結果形成されたようにみえる。
その建造物からは虹色に輝く光が絶えず溢れ出していた。
下を指差してウルに一旦着地する様に指示を出し建造物の様子を伺う。
「此処からは様子を見ながら歩きで進んで行こう。ウルは何かあった時にいつでも飛んで逃げられるように注意してくれ。できるか?」
ウルがコクリと頷く。
「何かあった場合だが、俺も指示を出すがウルが危険だと感じたら俺の指示を待たずに対応してくれ。」
再びウルが頷く。
頭を撫でてウルの手を取り建造物に向かって虹色に輝く建造物に向かい歩みを進める。
近づいていく程に道は細くなってはいるが建物の入口付近を見ても4、5人が横並びで歩く程度の道幅はある様だ。
下を覗く様に見下ろすと湖の様に大きかった陥没した地形が蜜柑程の大きさに見える程の超高度に至った事を認識する。
一歩間違えれば確実に命を落とす様な高さではあるがウルの持つ浮遊する衣のおかげで落下する心配は極めて少ない。
周囲の状況を確認しながら進行するため徒歩でゆっくりと近いている訳だが何やら不穏な空気を感じていた。
ウルの手を強く握りしめながら歩いていく。
ウルの様子を伺うが特に緊張している様な素振りは見せていない。
しかし俺には胸が騒めく様な、泥の女と遭遇した時にも似た例え用の無い不安が込み上げていた。
予感は的中した。
突如足元の水晶の柱から発光した流体の様なものが溢れ出し、針の様な形状を型取りながら鼻先を光の如き速さで掠めていった。
突然の出来事に体が仰け反り足に激痛が走る。
その針は足を貫き上空に飛んでいくと再び流体の様な形状に戻りながらゆっくりと二人の目の前に舞い戻ってくる。
俺はすぐさま後ろを指差しウルに離脱する様に指示を出した。
これは事前に打ち合わせた撤退の合図だ。
急激な力で後方に引っ張られて勢いよくその場を飛び立った。
その勢いのまま後ろを振り返ると頬から赤い鮮血を垂らしたウルの姿が目に入る。
「急いで此処を離脱だっ!」
言い終わる前に前方にいた筈の流体が目の前で渦を巻いている。
刹那、目の前がスローモーションの様に動きが遅くなり流体は再び針の形状に変わりながら眉間に向かって突き進んでくる。
確かに知覚しながらこれを避ける事は出来ないと悟った。
まさに眉間に突き刺さろうとする直前、ウルの顔が今まで見せた事の無い怒気を纏った険しい表情で針を掴み粉々に砕け散らせた。
ウルは針に向かって敵意を発しながらも俺の羽織った衣を掴み、振り向きざまに驚異的な速度で飛び立ちこの場を離脱していく。
「たっ助かった!このまま下まで行けるか?」
ウルは笑顔で頷いた。
しかしその額には汗が浮き出ている。
内心は必死で心の余裕など無い様子が見て取れる。
ウルに引っ張られながら俺は空中で引き摺られる様な体勢で後方を確認していた。
ウルに砕かれた針は光の粒子となって煙の様に消え去っていく。
しかし足元の柱から先程と同じ流体が所狭しと溢れ出し、無数の針へと形を変えて追撃する様に此方に向かってくる。
「さっきの流体が追ってくる!気を付けろ!」
その言葉と同時にウルは両手で俺を抱え、さながらミサイルの様に更に速度を上げて突き進んでいく。
後方から無数の針が様々な角度から放たれてくる。
その全ての針を目紛しく方向転換して回避していくウル。
しかし針は際限なく周囲の水晶の柱を貫きながら執拗に二人に襲い掛かる。
「しつこいな!何処まで追ってきやがる!」
既に柱の中腹辺りまで逃げ延びているが一向に追撃が止む気配はない。
そんな中、一本の針がウルの回避を掻い潜り速度を上げて激突してきた。
ウルは衣を使って降り払う様に針を薙ぎ払うと針は粉々に砕けさった。
動きが止まった二人の周囲には無数の針が全方位を取り囲む様に展開されていく。
タイミングを見計らうかの様に針はその場で静止した。
ウルの表情が再び怒りに染まる。
覚えのある背筋が凍る感覚が周囲を支配し、重苦しい重圧が辺りを包み込む。
静止した針が一斉に二人に向かってきた瞬間、ウルの右手に目が眩むほどの眩い光が発生した。
そのまま手を横に薙ぎ払うと周囲を取り囲んでいた全ての針が初めからそこに存在していなかったかの如く忽然と消え去っていた。
「なっ!?…」
砕かれた訳でも無い。燃やし尽くされた様子も無い。
まるでフィルムのワンシーンを切り取ったかの様に目の前の針が音も無く消えていた。
その時唐突に思い起こされたのは泥の女と遭遇時の出来事。
あの時見た光景と同じ様な現象を引き起こしたウルを見て推測は確信へと変わっていく。
しかし状況は思考の隙を与える事は無い。
遥か後方から再び無数の針が此方に向かって迫り来る。
ウルは再び俺を両手で抱えて遥か先の空間の裂け目に向かって飛び立った。
「ちょっと待て!向こうには空間の裂け目みたいな物がある!見る限り向こうも向こうでかなり危険な様だぞ!」
『…ダイジヨウブ…カンジル…』
ウルが片言で言葉を紡いだ。
いや、頭に直接語りかけてくる感覚だ。
それはあの泥の女と同じ様に、しかし優しくも切実に語りかける様に。
ウルは無数にある亀裂の一つに向かって針を避けながら必死に飛んでいく。
追い縋ろうとする針を光を発した手を振り払いながらその尽くを消し去っていった。
顔には苦悶と悲壮感を漂わせた苦しげな形相を浮かべ、時折頭に手を当てて何かを振り払う様な素振りを見せていた。
ウルだけに全てを任せる訳にはいかない。
纏った衣を掴み迫り来る針に向かって衣を叩きつけた。砕け散る針を見て予想通り俺でも破壊できる事が確認できた。
「ウルっ!お前は前に進む事だけに専念しろ!向かってくる針は俺が何とかする!」
コクリと頷いたウルは片手で俺を抱えて一直線に亀裂に向かっていく。
後方を向いた俺は衣の端を手に括り付けて鞭の様にしならせながら接近する針に向かって叩きつけていく。
迫り来る針を迎撃しながら亀裂の目前まで迫っていく。
「あと少しだっ!」
隙を見て後ろを振り向くと眼前に様々な光を発する空間が広がっていた。
ウルの言葉を信じるならあの空間にさえ入れば元の世界に帰れるかもしれない。
距離感は掴みにくいが、かなり目前まで近付いている筈だ。
しかしウルの目の前には既に先回りしていた流体が群がる様に収束していき道を阻もうと立ち塞がる。
巨大な球体となった其れ等は弾けて広がり、網の様な無数の針となって襲いかかってくる。
ウルは前を向いて再び手に青白い光を発し始めた。
「!?」
突如後方から強い衝撃を受けて大きく薙ぎ払われ、俺を掴んでいたウルの手が離れた。
巨大な板の形状をした物体が二人を叩きつけ、大きく吹き飛ばされていく。
体勢を崩した俺は降り注ぐ針の中、手を必死に伸ばしたウルの姿を呆然と眺めていた。
「イヤ…イヤ…」
一筋の軌跡が俺の腹部を抉って行った。
「イヤァァァァァァアッッッ!!!!!!」
甲高い叫びが響き渡り、今まさに貫かんとしていた無数に降り注ぐ針が時間を切り取られたかの様に消え去った。
必死に手を伸ばすウルが途轍も無い速度で急接近し、気が付くといつの間にか再びウルに抱き抱えられていた。
「グフッッッ!…お、落ち着け…腹を掠めただけだ…」
貫かれたかと思った腹を摩ったが胴体はちゃんとある。
怪我の状況を確認している暇はないが、手で弄る限りは死ぬ様な傷ではない筈だ。
「其れよりも前だっ!今のうちにっ…」
涙を浮かべるウルに必死に指示を出そうとするが、既に流体は再び玉となって寄り集まり、一瞬で身の丈の数十倍もある巨大な大剣の様な形状を型取って二人にその狂刃を振り下ろす。
ウルが苦悶の表情を浮かべながらも片手に光を込めて薙ぎ払おうと構えるが、蹌踉めいて手に込めた青白い光が散り散りになっていく。
「このまま…俺を投げろ!」
その言葉に一瞬躊躇しつつもウルは大剣に向かって俺を思い切り投げつけた。
「そこをっ!?どっどけぇぇぇぇぇっっっ!!!」
体を思い切り捩らせながら前に振り向き、眼前に迫り来る大剣に息を呑みながら叫び声を上げて全力を込めて衣を叩きつけた。
叩きつけた瞬間、大きな衝撃がぶつかり合い、前方にあった巨大な大剣は一瞬にして弾け飛び砂屑の様に崩れ去って周囲に飛散していった。
振り返った時に巨大な大剣が迫っていた事にも驚いたが、その大剣が布一枚の一撃で吹き飛んだ事にも口が開く程驚いた。
あれでは単なる見掛け倒しでは無いか…
落下していく俺にウルが抱きついて回収し、そのままの勢いで亀裂の中を突き進んでいく。
後ろから迫っていた針は亀裂の入口で動きを止めて漂っていた。
亀裂の中まで追ってくる事はない様だ。
顔を覗き込もうとするとウルが目に大粒の涙を溢れさせながら必死に胸に顔を擦り付けていた。
「ヒトリニ…シナイデ…」
か細い声が聞こえた。
其れは頭に響く声ではなく、確かに耳を伝って流れ込んだ弱々しい少女の叫びだった。
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