19.ネーミングセンスとか

 夢を見た。恐らくつい先日クリアしたゲームの影響である。ロボット的なものを颯爽と乗りこなす、飄々としたイケメンキャラ(CV:櫻井孝宏)とか出てきた。影響を受けまくっている。しかしながら、そのイケメンが乗っているカッコいいロボットの名前が「プリップリ」だった。おかげで夢から覚めた後に「プリップリって……」と謎の虚脱感を得た次第である。


 名前というのは大事だ。外見と釣り合いが取れていればなお良い。あの夢の中に出てきた三十メートル超のロボットだって「ネフライティス」とかだったら問題なかったと思う。緑色だったし。

 創作において、キャラの名前は割と重要である。王国を巻き込み、戦火の中で熱いキスをする王子と姫が「ぶにっぶに」と「さらっさら」だったら、どんなに他の要素が良くても読みきれないだろう。「ぶにっぶにはさらっさらの白くて細い手を握り、そのすべすべの指を確かめるかのように見つめました」とかなったらおしまいである。新キャラ「すべすべ」(悪役令嬢)が出てきたかのようになってしまう。


 自作品でもそれなりに気を使って名前はつけるのだが、偶に被ってしまったり、語感が同じになってしまったりする。そういう時には今更名前も変えられないので開き直る。クレスというキャラのライバルがアレスで、そのお兄さんがレクスで従兄弟がイクス、そんな構成になっても「いやいやこれはわざとなんですよ」感を押し出して最後まで走り抜けるしかない。だって現実世界で名前が被ることなんて珍しくもないじゃない、とか架空の誰かに言い聞かせて。


 しかし、「後からでも変えられる」ものはそれ以上に厄介だ。変えられるなら変えてしまえばいいじゃないか、と思うかもしれない。しかし、なんというか負けた気がする。変えたのに気付かれたら「前のは失敗だったのか」と思われそうで嫌だ。被害妄想だとしても。


 そんなわけで、新作の題名が決まらない。

 一度決めたのが前に書いた別作品と似ていることに気付いてしまってから、新しい案が出てこない。適当につけて後から変える手もあるのだが、上記の理由により、どうにも決心が付かない。

 夢で何か降ってこないかなーと思って、酒を飲んで寝たところに「プリップリ」なので、諦めて起きて探すことにした。健康的な題名が思い浮かぶことを願っていて欲しい。

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