第1話:初めての出会いはモグラ

 不安定な意識が寄り集まっていく感覚を覚え、俺は目を覚ました。

 周りを見渡すとそこは、洞窟?の中のようでゴツゴツとした岩壁で囲まれていた。

 ここ、どこだ?

 今俺が覚えていることは、名前が鬼頭和馬で、歳が17だということぐらい。何故ここにいるのかすら、見当もつかない。

 いや、これはまさか……噂の転生?!

 そう言えば、手や足の感覚もないし……。

 スラ!


 ――さわっ。


 ?!

 不意に、俺の腰辺りに何かが触れたような感覚がした。

 何だ?

 そう困惑していると、背後に何かがいる、そんな気配を感じぐるっと目を向ける。すると、そこにはモグラのような、モグラにしては堅い鱗のようなものが付いている何かと目があった。

 モグラのようなそれは、何か俺に伝えようとしているのか手をばたばた動かしている。

 何がしたいんだ?

 しばらく俺が、そのモグラを見つめていると急に何か察したように両手を俺に向けて「ちょっと待て」と言うようにジェスチャーをする。

『あ、あ。これでどうやろか?』

 お、声?

 関西弁?のようなアクセントの声が聞こえる。

『ちゃんと聞こえとるやろか?まあ、そちらさんに頷け言うても無理があるな』

 聞こえてるぞ?

 どうやら、俺の声は届いていないようでモグラは勝手に話し始める。

『お初にお目にかかります、わしはモグリン言います。まず、スキル、《トークセンス》っちゅうやつ習得できますか?』

 スキル?

 俺は、モグリンと名乗るそのモグラに不信感を覚えながらも、まずは言うことに従ってみることにした。

 スキルに意識を集中させると、脳裡にスキルについての様々な文字が出てくる。


 習得済みスキル一覧

  なし

 現在の所持SP(スキルポイント)50

 習得可能スキル一覧

《トークセンス》−5SP・念話を使用できるようになる。

《クークル》−5SP・記憶を細かく保存する。

《膨張》−2SP・自身の体を大きくさせる。

《ボディーチェンジ》−3SP・自身の体の形を変える。

《サブスタンスチェンジ》−3SP・地質や物質を変化させる。

《土操作》−6SP・土を操る。


 俺は、そこから全部のスキルを習得した。

『あーあー』

『お、喋れるようなったな』

『ああ、ありがとう。ちなみに、俺って何?』

『ん、哲学?』

『そうじゃなくて!普通に、何に見える?』

『……鉱石ですかね』

 oh...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る