第8話 与作、レベルアップが希望にはなる

ステータスが存在することを知った。


最初は異世界なんだからそれっぽいのが当然あるはずだと思っていたのだが異世界での現実が次第にその考えを奪っていった。


いくら時間がたってもチートは現れずそれなら知識チートでって思ったが知識は富を生むどころかいきなり借金を生んでしまった。


食うに困る状況が続けばもう考える余裕がない。日々どうやって食いつなごうか、それだけしか考えられなくなっていた。


しかし、知ってしまった。

俺は...知ってしまったんだ!

ステータスの存在を!


異世界を異世界たらしめるもの!

それはステータス!

それはレベル!

まさに彷徨う暗闇に差す希望という名の光!


借金?そんなもん地道にレベル上げて、成りあがりゃいいだけの話!


だってレベルがあるんだもの!


よし!よし!よし!

俺はレベルを上げるぞーっ!!!



希望というのは人を前向きにする。

前向きにはするんだけども前に向いた方向が必ずしも正しいとは限らない。



結論から言うと、希望でもなんでもなかったわけで...。





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