許してくんね?

君は像の前でうずくまる

運べやしないと諦めだ

アブラナてかてか車輪には

けして許せんものがあったのです


彼は正義に疲れ果て

アフリカ像を連れてきた

僕は星の飛行士だ

背の短いキリンでも

縞々の牛でもないんだ



ビールをあおる人影が

こつりこつりと響きます

何気ない日々に響きます

微々たる日々に響きます


ガスを上げる私の人生

数を上げるときりがない

霧ヶ岳へは向かいません

けして許せんものがあったからです


くりからからくり難事件

わいはすっぱいお茶を飲む

四のつく日にたまに出る

不気味で仕方ない人形は

呪われ爺の背中をさする

優しい優しいやつだった


彼はペンを持ちました

スーパーコイルと髪紐に

彼はトポロジーを導入しました

なぜだろう

彼はどうして、そんな罪を重ねたのだろう


けして許せんものがあったのです

ぼんやりと人影で休むものたちが

木陰を探し回ったものたちが

特になにもしないものたちが

奴の瞳に従ったものたちが

格好よく導くものたちが

他人に優しいものたちが

他人を嘆くニヒルなものたちが


人は皆、許せんものがあるのです

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る