ストーカー犯と美人弁護士part2

田端に手紙が届いてから2週間、彼女の周りには特に変わった事も起こらなかったため田端自身、手紙の存在は忘れていた。

そんな折、1通の分厚い封筒が田端の自宅郵便受けに入っていた。封筒には差出人も書いてない上に切手も貼られていなかった。ただ、ポストイットが貼ってあった。


ポストイットには、

『見ないと必ず後悔することになる。美麗の恋人より』

とだけ書いてあった。


田端は自宅に戻り、封筒を恐る恐る開封した。中には、100枚の写真と家の鍵らしき物が入っていた。写真には、田端のことを隠し撮りした写真が入っていた。それらの写真には、仕事している様子であったり恋人とデートしている姿、ジムで運動している姿などあらゆる生活シーンが切り取れられていた。


写真を何枚か見ていくと一枚の写真に驚き、持っていた写真を床にバラ撒いた。そこに写っていたのは見覚えがあるような男性がジムの中で自撮りツーショットしている様子だった。


床にバラまいてしまった写真を集めようとした時、田端は写真の裏側に番号と文字の一部分が書かれている事に気付いた。全ての写真を番号通りに並べた時、一つの文章が浮かび上がってきて田端はまた背筋が凍りついた。

そこには、

『10日後、美麗を迎えに行くから待っててね。その鍵は僕たち二人の愛の巣に入るための鍵だから無くさないでね。』

と書かれていた。


見ていない残りの写真を見て行くと、ジム以外にも自撮りツーショットと思われる写真が何枚か見つかった。番号が100に近づき、日付が今日に近くなっており、自撮りツーショットの距離も徐々に近くなっているように感じた。


田端はその日、恐怖のあまり一睡も出来なかった。



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