第3話 脳科学の不思議
「明日香さん、僕あんまり分かってないんですけどその研究所って何を研究してるんですか?」
「そうねえ、一言で言えば脳科学かしら」
「脳科学?僕なんかが行って役立つんですかね」
「大丈夫よ、簡単な作業だけだもの」
本当に大丈夫なのだろうか。事務仕事であればいいのだが。怪しい実験の怪しい実験体にだけはされたくない。
「それにしても明日香さんは凄いですね。脳科学の研究所で働いているなんて」
「ありがとう。でも、まだ凄くないのよ。私結果を出せていないもの」
なんて自分に厳しいのだろう。僕なんかが半生をかけても言えそうにないことを平然と言ってのける。
「僕からしたら十二分に凄いですよ」
「ふふ、優しいのね答真君は」
彼女がそっと微笑む。あぁ、花があったら差し出したい。いや、この笑みにはきっと花も嫉妬してしまうだろう。
「さて、着いたわ。ここが私達の研究所よ」
ここか。漫画とは違い案外小さいものだな。
建築様式もそこらの会社ともあまり変わらないみたいだ。
「まぁ漫画などの独創的な建築ではないかもしれないわね」
「心を読まれた⁉︎」
「読んでないわよ」
「え⁉︎」
今のは声に出てた。
「偉大なる脳科学研究所の所員ともなれば心を読めるのかと思いましたよ」
「まぁ読めないこともないけど…」
「え⁉︎」
「さっ、入りましょ」
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