ゴッドガーデンキーパー〜世界最強の守護魔術師〜

@4646japan

第1話 世界最強の守護魔術師

青と緑の広がるどこかの国の御旗を彷彿とさせるこの風景。

雲一つない青空と草原が一切交わることのない二色の中にポツンと灰色の物が見えてきた。石畳と奇妙な建物がこの果てのない草原の中心であることを主張するかの様にそこに存在している。


「ここであってるよな...?」


こんな何もない土地に建造物が一つ。間違えるわけもないのだが、あまりの人の少なさに不安が込み上げてくる。


「にしても、なんでこんなところに...」


この奇妙な建造物はいつか本で読んだ遠い東の国のものと特徴が酷似していて、二種類の文字が燭台の隣に記されている。


「こっちは僕でも読めそうか?」


字の形が母国語に近いものを読もうと試みる。


「って読めるわけないか、」


「んーそもそも僕に案件なんて来るわけないんだし、本当にここであってるのか?」



「そうだよ」


「うわ!」


背後を振り向くと自分と同じくらいの少女が腕を後ろで組み、僕の顔を見上げていた。

気配はずっとなかった。普段からこんなに距離を詰められたことがないから、結構驚いてしまった。


そして、気配を察知できない異質な存在を僕はすぐに結論づけた。


「君が、神様?」



「そう、私が神様。で、キミが私を守ってくれるの?」


そう言って青く透き通った目でじっと僕を見る。


「なんか頼りなさそう、キミ」


「...」


「ごめんごめん、でもキミがすごいってことはわかるよ」


初対面でディスられるとは...神様といえば神聖な存在だと思っていたので、この少女の軽い振る舞いには違和感を感じた。

服装や髪色から、異国の神様なのだろうか。

外国では神様って概念が色々と違ってくるのかもななんて考えていると、ふと自分がここにきた意味を思い出す。


「ところで、なんだけど僕は何から君を守ればいいんだ?不思議なことにこの地域、全然他の生き物を見かけないんだけど」


「まあ時期にわかるよ、んーでも正確には私をじゃなくて」


そういうと奇妙な建物の方に顔を向け、


「キミが守るのはこの石畳の中、まあ私の庭ってところだから荒らされたりしないように、頑張って」


「ちょっと待ってよ、君は戦ったりしないの?」


神様なんだろ、少しぐらい戦えないものか


「私は戦わないよ、でもこの案件、君と一緒にあと何人か呼ばれなかった?」


言われてみれば僕だけじゃなかった。でも僕と違うのはみんな上位魔導師や剣士だった。

てっきり敵を倒せない自分はいつものようにタンクとして前線で味方を守るものだと思っていた。


「今はその人たちが頑張ってるよ」


「それに、私のいるこの場所は私の護衛隊の最深部。そうそうこれるもんじゃないよ」


この話によると僕は最後の砦的な役目に感じる。


「そっか、でも最深部のこんな重要な役割、なんで僕が...」


そのとき、向こう側に爆音と共に黒煙が立ちこめた


「なんだ?」


「そっか..やられちゃったんだね」


神様の表情に陰りが見えてきた。


「キミ!早速だけど全力で守ってもらうよ!」







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