隣に引っ越してきた美少女がかわいい。

大河原リン

第1話 ご挨拶

夏休みのある日、俺は一人になった。

両親は昨日交通事故で死んだ。

祖父母は皆とっくに死んでいる。

幸い俺は高校生だ。一人暮らしができる。

両親の遺産とバイト代で生活していける。

そう自分に言い聞かせて涙をこらえた。

でもそこまで悲しくはないかな...


翌日

ピーンポーン

何だ?朝早くから。葬式の次の日くらいゆっくり寝かせてくれよとかなんとか考えながら玄関に出ると俺は生まれてから16年間で一番驚いた。

今まで女っ気が全く無かった俺の家の前に、

なんと、美少女がたっていた。


お母さんが見てたドラマに出てるどの女優さんよりかわいい。

思わず見とれていると、あのーと言って顔の前で手をフリフリしてきた なんてかわいいんだ、仕草までかわいい。


大丈夫ですかと聞かれ俺は我に返った。


「ええ大丈夫ですよ、ところでどちら様ですか?」


「申し遅れました、私隣に越してきた高岡スズナと申します」


はぁ最悪。俺の夏休み、濃くない?普通の女の子じゃなくて美少女ってところとかが。両親が死んだばかりなのに。まぁでも、かわいいな。俺はそんなことを考えてたらいつの間にか真剣な顔になってたようだ。


「2回目ですけど、大丈夫ですか?」と遠慮気味に彼女は言った。


「ええすみません、あっ俺、鈴木繫です。あの一人で引っ越してきたんですか?お父さんもお母さんも見たところいなそうですけど。」


わぁ何か話さなきゃと思って変なこと言っちゃった...

無理もないだろう。さっきも言ったが俺は、女の子と全然話したことがない。なにせ、彼女いない歴=年齢 だからな


「そうなんです。両親は私が幼い頃に死んでしまって、それから私をずっと育ててくれた兄と今日こちらに越してきたんです。」


「引っ越しお疲れ様です。」


ん?何言ってんだ?俺。


「ありがとうございます。」


うちのことも言っとくか。


「うちもですよ、一昨日両親が死にました。事故で。俺一人なんでよろしくお願いします。」


「そうなんですか。大変でしたね。あっ、こちらこそよろしくお願いします。年齢は何歳ですか?お見受けしたところ私と同い年位だと思いますけど。」


「俺はすぐそこの二ツ坂高校の1年です。」


「えっ本当ですか!私、そこの編入テスト受けて合格しましたよ。しかも同い年です!じゃあため口でいいね。」


えーーーーっ!マジかよ...

こんな美少女と家が隣で学校も一緒で学年も一緒...

               やばいな。

          隣に住んでる美少女は天使か?

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