番外編 お泊り女子会
ルリール公爵邸。
深い青の屋根に優しい白色の壁。
まるで絵本に出てくるようなお屋敷です…!
「さぁ、ルチア。入って」
「お、お邪魔します」
「私の部屋に案内するわ。夕食は2人で食べましょう」
「はいっ」
荷物は学校の鞄だけ。
着の身着のまま、といった感じでやってきた公爵邸ですが…
「(やはり、場違い感が半端ないです…)」
ラメアの部屋に通され、お茶を出された。
残すのは逆に失礼だ。
うぅ…こんな美味しいものを食べてしまったら、これから先の食事が辛くなるじゃないですか…
「あの、ラメア」
「何かしら?」
「そろそろ、お腹いっぱいです」
「…全然食べてないですわよ」
でもお腹いっぱいなのは変わりません。
「はぁ。ルチア、あなたはもう少し太りなさい。痩せすぎよ?」
「なんか、ラメアはお母さんみたいですね」
「誰が?何ですって?」
「何でもありませんですはい」
くすくすと笑うラメア。
メイドさんに指示をすると、ティーセットたちが片付けられて行きました。
「少ししたらお風呂に入りましょう。今日はバラの花びらを浮かべてあるの。いい匂いがするわよ」
「わぁ、お花のお風呂!素敵ですねぇ!」
「ふふっ。夕食はさっき言ったように2人で、このお部屋で食べましょうね」
「はい!」
お風呂、夕食、全部楽しみですねぇ…前回の時はソフィアさんたちもいましたけど…お風呂に入ったりは無かったですからね。
お友達とお風呂…なんか、ワクワクします!
「お風呂まで何をしてましょうか……そうね。本でも読む?」
「本!良いですね………迷惑じゃ、ありませんか?」
「!…大丈夫よ。もっと可愛らしい笑顔を見せてちょうだい」
ラメアが綺麗に笑ってそう言う。
もう…そういうことをサラッというとは…さすがです。
「そうだわ!ルチアにおすすめの本があるの!」
「どんな本ですか?」
「絵が綺麗なのよ」
「気になります」
「ふふっ」
その後は本を読んだり、紹介してもらったりして、お風呂の時間がやってきました。
ラメアの言っていた通り、バラの花びらが浮かんでましたよ…すごかったです!
湯船に入る頃には、天井の窓に星空が見え始めてとても綺麗でしたね!
あ、後。どっちが長く潜っていられるか、というのもやりました。
心配して見に来たメイドさんを驚かせてしまいました…。
待ちに待っていた夕食!
可愛らしい食器たちに、人参のグラッセや甘く茹でた野菜たちが乗っていて、小さなハンバーグなどもあって、色んな味が楽しめました!シェフさんに感謝です!
どうしましょう…もう私の家の食事に戻れそうにありません…。
デザートはプリンを食べました。
人生初のプリンです!…前回は食べてないと思うので、本当に人生初でした。
そして今。私とラメアはベッドに寝転がり、綺麗な画集を見ています。
あ、ベッドサイドの灯りはつけてますよ。
「ありがとう、ルチア。今日はとても楽しかったわ」
「こちらこそありがとうですよ、ラメア」
「ふふっ。食事は本当に楽しそうだったものね」
「忘れてください…」
たしかに夕食時ははしゃぎ過ぎました…
「また来てくれる?」
「もちろんです!ラメアがよければ、ですけど」
「わたくしが呼ぶのだもの。嫌なわけがないわ。喜んでもらえてよかった」
その後少し話して一緒のベッドで寝ることになりました。
______
____
__
部屋は暗くて、でも月明かりが綺麗で。
お布団はあたたかくて、ふかふかで。
しあわせって、こういうことを言うのでしょうか。
あぁ。
しあわせに浸かっちゃった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます