亀頭神

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亀頭神

悪魔「ふふふ。神よ。とうとうお前をとらえたぞ」

神様「なんとでもするがよい。私は屈さぬ。そして罰さぬ」

悪魔「おれが何をしようとしているかわかるか」

神様「わからぬ。しかし何事があろうとわたしはそれを享受するのみ」

悪魔「おまえの顔をおちんちんの亀頭の形に改造してくれる」

神様「なぬ」

悪魔「顔の真ん中に一本線を彫り、排尿と射精の穴を設ける」

神様「やめろ」

悪魔「そんなお前が人間たちに偉そうに講釈をし、偶像として崇拝される。どうだ」

神様「きさま」

悪魔「ちなみに、貴様の顔の方は下のおちんちんの先っちょにちょこん、と付けてやろ 

う」

神様「ゆるしてくれ」

悪魔「何が『ゆるしてくれ』だ。おれの体など、全身が湿疹に覆われ、目は一〇八個、

尻の穴は二六個、矮小な性器が一〇〇八個付いていて、遅漏で、しかも重い出血症に冒されているから常に全身血だらけ、強烈な痛みがずっと続くのだ。それに比べれば」

神様「……お前はそんなにつらい人生を?」

悪魔「『お前』~?」

神様「あ、いえ、悪魔さん」

悪魔「まあなんと弁明しようとゆるさん。顔面亀頭の刑に処す。その亀頭を自分の性器

に突っ込んでオナニーでもしながら死ぬまで生きろ」

神様「し、知らないのか。わたしは神。死ぬことはないのだ」

悪魔「好都合ではないか。ずーっとオナニーできて」

神様「じゃあ取引をしよう」

悪魔「なんだ」

神様「悪魔さんを神の眷属として、天国に招待して、幸せな暮らしをプレゼントしちゃ

おう」

悪魔「眷属~?」

神様「あ、いや。ちがいます。悪魔さんに神様になってもらって……」

悪魔「嫌だね。おれは悪魔でいることにプライドを持っているのだ」

神様「つらい人生でも?」

悪魔「しらんのか。つらい人生が好きなものなどごまんといるのだ。幸福を求めること 

のみが幸福なのではない。そんな甘い考えの者が神を名乗るなっ」

神様「と、ということは……?」

悪魔「もちろん、顔面亀頭手術は実施する。今すぐに」

神様「ひいいーっ!」


 ということで、翌日から人類は顔がおちんちんのさきっちょになっている神様を信じ始めることになり、そういう銅像も作って、さらに自分たちの顔も神様と一緒の方がいいだろうということで、みんな韓国に行って顔を亀頭型、性器を元の自分の顔型に変形させ、何の疑いもなく暮らしていきました。おわり。

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