第2話 父の知らない私

実は私の父は私が草野球をしていたことを知らない。母がとこにふしてからはじめた野球だったが、試合が決まりみせたいと思った矢先、母が他界してしまってからながらくたまをうったこともない。


父にいわせてみれば、どろくさい野球なぞしていたら肩だけでなく体を壊すということは目に見えていたし、ひととおりなんでも体験してみてからものを書く私にとっては、趣味の範囲だったので実際の試合のあるなしよりも、その体験をいかに文字として表すときに生かすことが可能になるか、にしか興味がなかったからでたる。


また、昨年バットを購入したのは将来暇を持て余し、声がかかったときに児童たちに正しい野球の仕方を教えるてほどきができるようバットの遠心力、バットをふるときに身体にかかる負荷を知る為、そして護身用具のひとつとして購入したため、いまは出入り口にのまないワインの瓶詰めたちとともにならんでいる、大量の傘のとなりに。



さて、父には話さず、最後通院のために、しぶしぶタクシーに乗った時の運転手との帰り道のことである。



待機していてくださった運転手の車に乗る前、文具店をみてやはり、とため息がでた。

あなたの愛猫がペンになるのあとはディズニー、で乙武の本、そして半分以上潰れているのに息子が医者になるから白衣だのいっているおばさんたち...。


ノートは相変わらず慶應マークに北里のノート、しかも今度はコクヨの予告...


透明の表紙をだらだら束ね、いい加減にしないか、と一冊だけかい、Amazonをあとで見るまでもない、と待機しているタクシーにのるやいなや、運転手は帰り道はゆっくりした道でいきましょう、僕はみちがわからない、というので、渋谷交差点の前の青山一丁目のとこまでぬけるか、無名橋のよこを新宿方面にぬけて二本手前の細道をゆくと神宮も明治記念館も交差点やハチ公ともまざらない道があると伝え、実家によってもらってもいい?というと、沢山のってくれるの?というので、いくらでも、まっててくれたし、と、父に電話をしたがでない...。

まだコロナの騒ぎが知られていないため油断している父には会えないか、と車窓をながめたがらフォーブスの広告が一回ながれるまで

何度出てきたことか...。

あの、レインボーブリッジを閉鎖せよ、で

大騒ぎしていた元宝塚女優?茶髪の品のない女優の広告が...。

そのたびに目を逸らし携帯をきると、次々

本広克行の手先としかいえない広告がタクシーにすわっていた私の目の前の運転手の席のよこ、つまり助手席の後頭部から流れてくる...。

この分だとタクシーとはこれでさよならだな、伝言掲示板だの広告をだしていないクラウンでもない車とおかかえ運転手が必要な時期がきたのか、と祖父たちの時代、祖父たちがだれも仕事のひとを家によせつけず、準備していたのと同様、私も支度を整えにはいった。


職歴、家族に怪しいひとや変な業界のつながりがなく、スピード違反でつかまったことのない運転がうまいひとをさがすとなれば車の工場に聞くのが1番はやいので、誰にもわからないよう連絡をすると、金子勝久さんの娘さん?あの?金子君子さんのお嬢さん?と

なぜか皆私を知っている...。


?????


あ!軽井沢でよく挨拶しにきてくださっていた財閥のひとたちの運転手さんが車のメンテナンスに使っているから?


と思った私は軽井沢にもハイヤーだしてますか?と聞くと

ごく一部のひとのためだけの他のひとを乗せない車なら皇居にいるひとたちのものより

綺麗に用意してあるよ、いまはもうない軽井沢時代だなぁ、というので、そうねぇ、というと大人の事情でね、というので、もう、大人だから話していいよ、という私。



タクシーの運転手さんにもこの辺はいっつうが多くてわかりづらいといわれたため、わかりづらくしておかないと侵入されるからかもね、とお茶をにごしながら、家までのみちのりの車窓を楽しんでいると、よくいくの?病院と聞かれた。


また、都倉俊一だのがつきまといにくるわけ?慶應病院のなかに建設中の警察署のかの工場のおじさんもデニムきてておかしいでしょ、どう考えても、と気がついた私は、

毎週!家族も医者であそこにもいるけど別の病院にもいるからまぁ、ここはどうなってもいい病院でもあるんだけどね、と答えた。


運転手は、え?僕の父、嚥下障害があってコロナで中野の警察病院にいて面会させてもらえないんだ、病院どこがいいのかな、とさぐりをいれてきたため、中野イコール山崎貴。

だれがいうものか、と、んー、一度入院したならそのお医者さん信じたほうがいいよ、迷うとみんなに迷惑だからね、コロナが移動したら面会しない意味がないからね、と伝えた。


次に運転手はお父さんどこにいるの?というのでお父さんは世田谷の上流と田園調布とかにいて、あちこちに家があるひと、私は世田谷の下流、調布とのさかいめで見回りしてる下流のひとなの、というと、すばらしい、という。


だんだんこの運転手さんは悪い人じゃないとわかり、前職が博報堂で東芝ブレイブルーパスのファンクラブ会員で住まいがほにゃらら、ときいてメモをとっていた私に気が付き、運転手は今度は職質?職務質問?と

冷や汗をながすので、ちがうよ、このタクシー、タクシーの事務所かえらないとエネルギーいれられないといったエンジンやクルマの話が好きだからメモしてるの、と伝え、

淡々と東芝がみはってくれているメールアドレスに内容を送りながらピタッと自宅よこにのりつけてもらい、運転手さんに運転手さん指名で呼びたいときはどうすればいい?とたづね、営業所の場所と名前を聞くと、博報堂にいてタクシー運転手さんになって奥さんと共働きで子供がいればペラペラ喋ったら仕事を失ってしまうことは充分理解しているとわかり、ピアスをだらだらつけ蓮舫とうらとりひきをやめなつきまといの一味、山崎貴のよめだのイギリスかぶれだのBBCにだれが協力するものかハリネズミにだらけにしてハリネズミとはなにまみれ、たかたが資生堂のエリクシールだので八ごっまで広告にしてもらってまで売れたがりながら、まったくうれない糸井重里だのいとしさだのたたかうことだの、藤咲淳一にいわれた、たたかえだの、自分で自らぬけられないジレンマにおちいったエンタメのバーカと家のお布団にいるだけである。


たたかいかたをまちがえたエンタメは

失うもののみおおかりき、である。


脳をつかった、頭脳プレー、産業をもたないエンタメは広告にまみれたゴミである。


むしだらけにしかしないので

比喩をかえておく。


2020/5/6 21:30


     22:03

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父と私 Tomoka Kaneko「英語表記」 @writeEN

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