575.自動マッサージ

「ぴよ!」(おねがいー!)


 親コカトリスの羽でヒナコカトリスがカバーされている。準備オッケーというわけだ。


「ぴよぅ!」(ドキドキ!)

「ふふふ、揉みほぐしてあげます!」


 レイアは両手にマッサージ機を装備すると、スイッチを入れる。


 ぶるぶるる!


「では、いきますよー!」


 マッサージ機をそっとコカトリスの背中に押し当てる。


「ぴよよよよー!」

「ぴよよよー!」


((( ╹▽╹ )))╰(*´︶`*)╯((( ╹▽╹ )))


 コカトリスが激しく震え始めるが、特に問題はなさそうだ。そのまま振動を受け続けている。


「ぴよぴよぴよー!」(震えてるー! たのしー!)


 ヒナコカトリスは親コカトリスからの振動を受けている。羽をバタバタさせながら、震えを楽しんでいた。


「楽しそーですねー」

「テテトカもあとでマッサージ受けますか?」

「それはやめておきますー。もぐもぐ」


 両方のコカトリスとも、ぴよぴよしながらマッサージを受け続けている。


「ふぅ、ふぅ……。なかなか両手持ちは大変ですね……」

「持ってないとダメなんですかー?」

「いえ、別にそういうわけでは……」

「じゃあ、カカシみたいのにくくりつければー。ありますよ?」

「ほうほう! 良さそうですね!」

「倉庫から探してきますねー。ちょっと待っててくださいー」


 そうして少しして、テテトカがよっせよっせとカカシを持ってきた。


「ここにくくりつければ、持たなくてもいいかもー?」

「そうですね……! 手が空けば、私も手で揉み揉みできますし」

「それはやるんですねー」


 テテトカとレイアがマッサージ機をカカシの手につける。


「ぴよよよー」

「ぴよよよよー」


 コカトリスは気にせず、気持ち良さそうにマッサージを受けていた。


「それでは……マッサージを受けているぴよちゃんとお話しながら、改善をしていきましょうかね」

「改善ー?」

「そうです。ぴよちゃんもここがマッサージしてほしいとか、あるかもですし。ぴよちゃん印なだけで売上も……ふふふ……」

「ふーん? よくわからないけど、ぴよちゃんのためになるなら協力しますー」


 レイアとテテトカの目の前で、ヒナコカトリスはすやすやと眠りつつあった。


 適度な揺れと親コカトリスの羽のぬくもり……。


 レイアはもみもみと親コカトリスの頭を揉む。ヘッドスパ的ななにかである。


「ぴよぴよ……」


 このマッサージがヒナコカトリスを非常に活性化させるとも知らずに……。

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