430.掃討
「……よし、とりあえずこの群れは対処できたか。次の群れに行こう」
海面を見るともう星クラゲはいない。
網で全て引き上げられたようだ。
「問題があれば僕達に知らせてくれるはずだから、大丈夫だね」
「ああ……渦についても何も言ってこないし」
「海面への影響はないように回りました!」
「さすがステラだ」
ぴこぴこ。
羽を動かしてステラを褒める。
「えへへ……あっ、向こうに」
ステラが指差した先にキラキラと光るのが見える。
もう次の群れがいるようだな。
「あの奥にも星クラゲがいるね。コカトリスが向かっているみたいだけど」
「ウゴ、ひとつずつ倒していくんだね……!」
ウッドの言葉に皆が頷く。
「よし、それぞれ手分けしながら群れを倒していくぞ!」
「「おーっ!」」
◇
それから、星クラゲの討伐は順調に進んでいった。
海面からコカトリスがくるっと回転しながら、飛び出してくる。
シンクロナイズドスイミングのように。
「ぴよぴよー!」(この下に数十のクラゲがいるよー!)
「この下に数十のクラゲいるぴよよ!」
連絡役としてディアとマルコシアスも大活躍である。
「くむくむ……東の方向にまた別のコカトリスがいるんだぞ」
「東ですね! お願いします!」
「あいよー」
レイアの呼び掛けにルイーゼが答え、風の魔法が発動する。
つむじ風が吹き、レイア達が浮かび上がる。
「はやぴよ!」
「空を飛んでショートカットなんだぞ」
「こっちのほうが速いからな。さくさく行くぞ」
「ありがとうございます!」
船から船へ、空を飛んで移動する。
ここまで自由に魔法を操れるのは大貴族ならではだろう。
「あっ、いました!」
海に背泳ぎしているコカトリスがいた。
羽をバタバタさせて、アピールしている。
「ぴよ〜!」(このけっこう下にクラゲがいるよー!)
ディアが正確にそれを聞き取る。
「ぴよ! またあの仲間の下にクラゲがいるぴよ!」
「おう、けっこーいるんだな……」
ルイーゼは魔法に集中しながら答えた。
各方面で網入れが始まり、どんどん星クラゲが捕獲されていた。
どうやら順調に進んでいるようだ。
「次は……西の方だぞ」
「わかった、掴まってろよ!」
ルイーゼの風魔法で再び空を飛び回る。
おかげで伝令もスムーズに行く。
そうして一時間が経った頃、マルコシアスの誘導で
船団の端にきた。
ここにも1体のコカトリスが海面から頭と羽を出している。
「ぴよー!!!」
ルイーゼの魔法でディア達が駆けつけると、相当慌てていた。
「……どうしたのでしょう?」
レイアの言葉にディアも声を上げる。
「ぴよよ! おっきなお魚が近づいてる、そう言ってるぴよ!」
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