第41話
ゆらゆら
*キオナ目線~
僕たちはハッキリ言って困っていた。
魔力はあるが体力がないマコト様は、
一度寝るとなかなか起きないのだ。
確か"テー・ケツアーツ"という朝起きるのが
辛く、かなり寝ないと倒れてしまう
病を患っているマコト様。
僕に癒す力があればいいいのに……。
なんのための従者なんだろうか?
優しいマコト様に甘えていたらダメだ。
また、お役に立ってご褒美のく、口づけが
欲しい。マコト様の口づけには、本当に
癒しの効果があるし、心も身体も癒されるんだ。
神子様付きの見習い従者時代は、ねたみや
やっかみ、嫌がらせを受け毎日何人もの
ア、アレを挿れられ僕のお尻は傷つき
歩けない日も多かったんだ。
正式に専属従者になってからは、マコト様に
べったりとくっついていた。
国王と第一王子には、殺意が湧いたほど
モヤモヤしてしまったけどね。
僕はまだ抱かれてないのにって…。
しかも、無理矢理迫ってたり、魔力を
抑える腕輪を騙して付けさせていたんだ。
カギは、国王が首から下げている趣味が
悪いネックレスに通されていたんだ。
なかなかスキがなくて、結局は神子様が
ご病気になり、痩せ細り取れたんだけど……。
国王や第一王子とのエッチは
僕の為に嫌々していることがわかり
僕は大切にされている事に気付いたんだ。
勘違いかも知れないけど、僕はマコト様を
神子としてじゃなく、1人の男として
守りたいんだと思った。
僕より小さいし、年齢を知った時、
本当に神の国はあるんだと思ったよ。
・
・
・
*マコト目線~
かっぽん、かっぽん、かっぽん……。
花の香り、柔らかくて暖かい。
むにゅむにゅむにゅ。
眠い…眠いけど、キオナ…キオナの体調……。
「…キ…。キオナ…。」
頭をなでてくれている。誰?
大きな手、お父さん?お母さん?
むにゅ、むにゅ。柔らかい…。
「…お母さん。」
「……。」
かっぽん、かっぽん、かっぽん……。
「うふふ、可愛い、お母さんって呼ばれて
しまったよ。」
「も、申し訳ございません。」
「いいよ、いいよ。子どもを数年ぶりに
見れたし、しかも2人とも可愛いね。」
「あ、あの~僕、じゃなくて、わ、私達は
2人とも成人してます。」
「そうなのかい?では、そういう事に
しとこうかな。」
「ほ、本当に本当なんです。僕、16歳に
なりましたし、マコトさんは、え~と
21歳だったと思います。」
「おやっ?16歳と21歳なのかい?
まあ、もうすぐ家に着くから、たくさん
ご飯を食べて大きくなりなさい。」
「信じて下さい。本当に……。」
「可愛い君の言うこと信じてるよ。
なんなら名前の宣誓しようか?」
「す、すみません…あ、信じて下さり
ありがとうございます。」
「いやいや、信じるのは当たり前だよ。
さぁ、着いたな。ようこそ我がソルトル家へ、
ごゆるりと過ごされよ。歓迎する。」
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