第7話 2020年夏 たくちゃん元気?

「補習でたくちゃんを待ってたの。野球のカキーン!って、バットにボールが当たる音が夏~って感じで心地いいなって思ってたら突然拓斗さんの喫茶店にワープしてたの。しかも未来に!」


「喫茶店って(笑)まあ、いいか。カフェな。喫茶店て言われると渋いよなあ(笑)」


「たくちゃんはどうしてる?元気かな?もうこの街にはいない?」


 わたしはたくちゃんの未来と交わる人生ではないのだろうか?


「るみ、拓也くんのことなんだけど…」


「ただいま帰りましたよ~。今日もたーくさんお酒飲んじゃいました!おい、おい!誰か出てこいよ!こらぁ!!」


 玄関が騒がしい。何?泥棒?そう思った瞬間、居間のドアが開いた。


「るみ?」


「たくちゃん…?」


 \中田、今季初のさよならホームランですっっ!!/


 テレビからかなり興奮したアナウンサーが野球中継が聞こえる。同じくかなり興奮したこのおじさんは、間違いなく中村拓也本人だった。


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