27才、いまだ片思い中

シャーアンカ

第1話 プロローグ

この物語は、自分が経験してきたことにフィクションをおりまぜたものです。


『あなたには、忘れられないほど好きになった人はいませんか?』


いつまでも忘れられない人がいます。そんな27歳の話を聞いてください。




まだ自分が小学生高学年だった頃まで遡ります。


父親の寝室にある押し入れから、山積みにされたビデオテープの中から一つを持ち出し、夏休み中で誰もいないリビングにひとり、扇風機をつけながら、そのビデオをまじまじと見ていた。


「ちゃんと置いてあった場所と位置を覚えておいてバレないようにしなきゃ」


多少の悪知恵というものもあったと思う。


そのビデオは小学生には刺激が強く、まだ自慰も覚えていない自分には少々早すぎたようだ。


だが、性への目覚めはその時から始まっていたのかもしれない。



女性に対する興味は人よりも強く感じることが多かったように思う。多感な時期の中学生時代には2ヶ月ごとに好きな人を変えていっては、夜のおかずに抜いていた。

しかし、臆病者の自分には告白というハードルはとても高く、また明らかに見た目からもモテない少年であった。


偶然にもカップルの先輩とも仲良くしてもらっていたため、学校で二人のキスの様子やいちゃつく様子なんかも見せられていた。

さながらAVを見ているような気持ちになり、興奮を覚えた。

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