第100話 あの娘が通ったら
あの娘が通ったら
さわやかな風が吹き
僕らの体を清めてくれる
あの娘が通ったら
透きとおる水が湧き
僕らの渇きを癒してくれる
そこで僕らは限りない想いを秘めて見送った
あの娘が通ったら
はじまりの鐘が鳴り
僕らに夜明けを伝えてくれる
あの娘が通ったら
枯れていた花も咲き
僕らに笑顔を戻してくれる
そこで僕らは限りない想いを込めて見送った
名前は知らない
どこから来てまたどこへ行くのか
わからないけれど
あの娘が見えなくなってから
律義な僕らは元に戻すのさ
全部元通りに戻すのさ
元に戻すのさ
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