僕と君との人生の1ページ。

ゆーや

第1話



人間は何気ない一言で人生を変えることが出来るのだろうか。例えば、2択の将来に悩んでいたとしよう。

進学か就職か。この選択でこれから進む道を大きく変えることが出来る。しかし、ここで選んだ選択肢がはたして本当に正解なのか?いや、そうとは限らないだろう。明確な答えなんてない。結末なんてその後の自分の結果次第でどうにでもなるのだから。そう、思っていたのだ。あの少女に出会うまでは...。この物語は俺の生き方を変えた少女と俺とのほんのり苦いけどやっぱり甘い物語だ。


-------「んー、なんだこれ」


主人公ことこの俺、如月隼斗は下駄箱を開けて呟いた。なんと、そこにはハートマークの付いた1枚の手紙が入っていた。


「え、まじかよ。この俺にラブレターなんてことあるのか?」


まあ、俺はあまり目立った人間ではない。前髪は無造作に伸びていて、目は二重で綺麗だと自負しているがまるで独房にいるかのような目をしているよーって1度言われたことがある。うん。正直泣ける。いや泣いていいよね。


「まあ、見なかったことにしておいていっか」


めんどくさい事が嫌いな俺はそう呟いて、手紙を放置したまま教室へ向かった。


中央階段を4階まで上がり、右に曲がってすぐあるのが俺の教室、1年C組だ。その教室の俺の席は1番窓側の1番後ろ。控えめに言って超最高。

授業中寝てても見つからず、持ち前の影の薄さで先生に当てられることもない!プールが見えるから夏には女子の水着がぁ...。楽しみだ。夏が俺を呼んでいるッ!!!こんな幸せな学校生活送れるなんてなぁ〜あはは!


「え、お前どした。なんかニヤけながらぶつぶつ言ってるけど...良い精神科でも紹介しようか?」


おーっと邪魔者が入りやがった。この薄汚れた発言をしてくる野郎は俺の幼なじみで親友の藤堂弥生。家も隣な腐れ縁てやつだ。いや、俺が2月でこいつが3月ってのはマジの偶然らしい。


「え、声に出てたのかよ。まあいいだろ?こんな良い席で日当たりもよくて、寝てると最高に気持ちいいんだよなぁ...」


「まあな、言いたいことはわかる。あ、唐突だけどお前さんやい!隣のクラスの卯月さんて知ってるか!?」


「卯月さん?あー、あのすっごい綺麗で可愛いのに入試首席だった人だろ?」


「そーそー!あんなTheモデルみたいな見た目してて頭も良い。控えめに言って女神なんだよなぁ...」


卯月楓。この学園史上最高の点数を入試で叩き出した才女。そして見た目はThe清楚。二重で大人びてる目付き、鼻筋は綺麗で鼻も高い。顎もシュッとしててまるで有名なファッション雑誌から出てきたような人だ。腰辺りまで伸びる黒髪ロング。身長は160センチ後半。俺と大差ないくらいで、学園の女神だなんだと呼ばれている。俺はちなみに178センチ。どやぁ!

スタイルもよく、出るところは出て締まるところは締まる。うん、天は二物以上与えすぎじゃないですかね?人生イージーモードかよってね。いや別に俺は興味とか全然無いんだからね?


「それがなんだってんだよ?」


「いやさ!俺らもう入学して1ヶ月くらい経っただろ?それなのにもう告白して玉砕していったイケメンどもがわんさかいるんだとよ!!」


え、まじか、そりゃすげぇな。なんで断ってるんだろうか。


「今お前なんでなんだ?って顔したよなぁ!?それはなぁ...」


-------「私には好きな人がいるからよ。」


急に声が聞こえてビビった俺らはすぐに弥生の後ろの方に視線を向けた。


そこにはクラスの視線を全て受け、何故か不敵な笑みを浮かべている学園の女神がそこに立っていたのだった。

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