第1487話 どう足掻いても絶望
「色々と突っ込みが追いつかないんですけど、旦那がさっき使ったその『
「その頃の我は『
(さ、三歳で『金色のオーラ』を纏ってさっきの『魔神』の張った『聖域結界』を粉々にする程の威力の『魔法』を使っていただって……? だ、旦那は本当に一体何者なのだ!?)
驚愕に目を丸くしているセルバスの横で、ヌーもまた思案を続けていた。
(俺でさえ『金色のオーラ』を自分の意志で纏えるようになったのは五歳くらいの頃だ。その時であっても『神域魔法』はおろか、俺は『
本来であれば『魔王領域』に五歳で至る『ヌー』もとんでもなく凄い事であり、それだけではなく『魔力コントロール』をモノにするには『魔法』を覚える事よりも遥かに難易度は高いために、そこから数百年から数千年はかかるものなのである。
元々の『魔力』が高かった為に『魔法』の威力は桁違いだったという話はよく聞く話ではあるが、ソフィの場合は少しばかりそのよく聞く話の範疇におさまるような話ではないのであった。
――下手をすれば、もしもという仮定の話ではあるが、ソフィが『
「お前がそれだけ長い期間もの間、ずっと封印をしていた『
そこで思案を続けていたヌーは、ここにきて『
「当然それは『牢』の中に居るヒュウガ殿達を救い出そうとする一味や一派の数を懸念して、あのイツキ殿と同等、もしくはそれ以上の『魔力』を有する存在が複数人現れて、一斉にこの場に襲撃をした時を仮定して使ったのだ。それが二回目に放った『
どうやらソフィは『ヒュウガ一派』というモノがどれくらいの規模で、どれくらいの数が居るのかを理解していない為に、この前戦った『イツキ』を指標にしたらしく、その『イツキ』クラスの『妖魔召士』が襲撃にきたと仮定して、一斉にその妖魔召士達が『魔力圧』や『魔力波』を放った時の威力を推定でこれくらいだろうと判断したのが先程の『
「もちろん我の読みが甘く、もっと強さが上の存在が居るかもしれないが、その時の為に従来通りの『
実に楽しみだと告げて、ソフィは嬉しそうに口角を吊り上げるのだった――。
――もし襲撃を考えているモノが本当に居たとすれば、その者達は絶望するだろう。
この大魔王ソフィはむしろそういった存在の出現を心待ちにしているために、苦労してその『結界』を壊せば今度は絶大なる期待感を抱いて出現する『
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