第1462話 力の魔神と死神のテア
「うむ。これならば『
「――」(あくまで貴方の『結界』を隠す事を前提にした『結界』だから、強度は普段の私の『結界』とは変わらないけれど、一度でも亀裂を入れられる程の『魔力』をぶつけられたら直ぐに壊れるわよ?)
この目の前で展開されている『魔神』の張ってある『結界』は、所謂『聖域結界』と呼ばれる代物ではある。
常に『魔神』が存在し続けている場合でもなければ、この『力の魔神』に匹敵する『魔神級』以上の『魔力』で『魔法』などを用いて一度でも壊されてしまえば『結界』の再生はされずに、他の存在の張る『結界』と同様にそのまま消えてなくなるようである。
『リラリオ』の世界に居た時であれば、今の『聖域結界』と呼ばれる『魔神』の『結界』を一度に粉々に壊せる存在など『魔神級』に匹敵する力を持った『レキ』や『シス』くらいのものであったといえたが、この『ノックス』の世界であれば一部の『最上位妖魔召士』や『妖魔退魔師』組織に属する『瑠璃』を纏える存在であれば、この『結界』に亀裂を入れるどころか破壊する事が可能であるだろう。
この場に『魔神』が居座り続けることが前提となるが『全力で敵の侵攻を防げ』とソフィに命令でもされたならば、この『力の魔神』はその神々の名に於いて、その恐るべき『力』の本領をこの世界に示す事になり、先程張ったこの『結界』を半永久的に『再構築』を繰り返して同じ『神格持ちの神々』の存在が現れたとして、幾度となく攻撃を繰り返そうともその全ての攻撃手段から『力の魔神』はこの場所を守りきるだろう。
(※『力の魔神』の結界が『聖域結界』と呼ばれる理由は『力の魔神』が、その場で専守特化となれば『結界』の『再現構築速度』が異常である事が理由である。更に現在の大魔王『ソフィ』と契約状態にある『力の魔神』は相手が『金色の体現者』であろうが『魔神級』の存在であろうが、その場の専守に務める事になれば『魔神』本体の『不死』の『力』に加えて『時魔法』といった『世界に干渉し得る力』に対して更にその干渉に対して干渉を行う事で無効化を果たす事が可能なのである。そこに更にソフィとの契約により『魔力』も無尽蔵と呼ばれる程の状態になるために大魔王『ソフィ』の『全力で守れ』の一声で、この場は『天上界』に存在する『結界』に匹敵する『守りの要』の場に成り代わるのであった)
「構わぬよ。お主の『結界』はあくまで『牢』の中に居る者達に我の『
「――」(そうね。私にしてみれば貴方のあの素晴らしい『力』で、貴方に刃向かう愚かな塵芥共が次々に苦しみながら死んでいく姿を一番近くで見ていたいところなのだけれど)
ニコニコと笑いながら恐ろしい事を口にする『魔神』に、ヌーの隣にいた『死神』の『テア』は、ぎょっとした顔を浮かべるのだった。
「お主はいつもとんでもない事を平気で口にするな……。お主の言葉にテアが驚いておるではないか」
「――?」(ふふっ。貴方も私と同じ気持ちよね? そうなんでしょう? どうなのかしら『テア』?)
「――!」(は、はい!! 私も同じ気持ちです! ソフィさんの邪魔をする愚かな者達の魂を一人残らず全て奪い取りたいくらいです!)
「おいおい……。お前、しっかり『魔神』に躾けられちまってるじゃねぇか」
『魔神』の言葉は分からないヌーであったが、自分の相棒である『テア』の言葉を聴いて、だいたい内容を把握した彼はそのテアの言葉に対して溜息を吐くのであった。
「――!」(ああっ! なんて貴方は可愛いのかしら……!)
「その辺にしておくのだ『魔神』よ」
『魔神』が『テア』の頭を撫でようとワープを行って彼女の横に行こうとしたが、それを制止するようにソフィが口を開くのであった。
「――」(ああ、とっても残念ね……)
「クックック」
そして『力の魔神』と『テア』の会話が終わったのを見計らってからソフィは『スタック』させていた『魔力』を放ち始めるのであった。
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