第1147話 シグレとの再会
(さて、こいつらの処遇はどうしましょうか。ヒュウガ殿の一派である事は間違いはないでしょうし、泳がせてヒュウガの居場所を突き止めてしまいましょうか)
ミスズが捕らえた男たちの顔を見ながら考えを巡らせていると、コンコンと部屋の扉をノックする音が聞こえてくるのだった。
「どうぞ」
顎に手をあてていた手を下ろすと同時、扉の方に視線を送りながらそう告げた。この顎に手を当てる行為は、ミスズが考える時によくやる仕草であった。
カチャリという音と共に部屋の扉が開かれると、長身で綺麗な黒髪を持つヒノエが部屋の中へと入って来るのだった。
「失礼します。ほらお前も入れ」
ヒノエが部屋に入ると同時、中に居たシゲンとミスズに丁寧に挨拶をした後、開かれた扉の先にある廊下の方を見ながら、ヒノエは誰かに話し掛けるのだった。
ヒノエに部屋へと入る様に促されたその人物は、ゆっくりとその姿を中に居る者達の前に姿を見せる。その人物とはサカダイの町の入り口付近で、三人組の『
――そしてその女性とは『
「貴方は、確か……」
「あ、アンタは……!」
「む!」
「てめぇは確か」
ヒノエと共に入って来たその女性を見て、反応を示した者は数名だけだった。その反応を示したのは『
「こいつはどうやらうちの『
「それは本当の事ですか? しかし追われていたとはいえ『
ミスズはちらりと転がっている『
「ひっ!」
睨まれた『
『
(やはりシギン殿やサイヨウ殿達のような『
「それでその子を人質に取った『
そう言ってミスズはシゲン総長に手を出した『
「いえ、申し訳ありません副総長。追っていた『
先程床に転がっている『
「何ですって? もう一度言ってもらえますか、ヒノエ組長」
ヒノエはガシガシと頭を掻きながら、言い難そうにもう一度口を開こうとしたがそこでだんまりを貫いていたシグレが代わりに口を開いて声を出す。
「ミスズ副総長。私を人質に取った『
ヒノエを見ていたミスズは、突如として口を開いたシグレに視線を移す。
「
セルバスが心底驚いた顔を浮かべる中、冷静にミスズはシグレに問いを投げる。
「……は?
虚ろな目を浮かべていたシグレだが、副総長ミスズの言葉を聞いた彼女はしっかりとミスズの方を見て言葉を返す。シグレのその言葉にどこか刺々しさを感じたミスズは、自分の知っている
「自分の身の安全ですか。確かに貴方を人質にしようとした『
「馬鹿を言うなよ。
シグレの虚ろな目が唐突にどす黒く歪んだ目に変貌を遂げる。そしてシグレが言葉を吐き捨てると同時に、ヒノエが前を向いている隙を狙って、ヒノエの横に居たシグレは転がっている『
「ひっ……!」
突然自分に向かって走ってきたシグレを見て、手足を縛られている『
――しかしあわやというところでシグレの背後から『ヒノエ』が、そのシグレの手を掴み止めたかと思うと、更には副総長『ミスズ』も倒れている『
シグレから『
「離せ……! 『
「くっ……! またかよてめぇ! いい加減にしろや、この馬鹿……!」
ヒノエはシグレの小太刀を握る手を捻り上げて落とすと、そのまま足で思い切り小太刀を遠くへ蹴り飛ばすとサカダイの門の前の時のように、シグレをその場で組み伏せるのだった。
……
……
……
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