第1062話 恐ろしき捉術、返魔鏡面掌
当代の『
これ程の魔力圧が一度に放たれてしまえば、被弾覚悟で軽減を目的とした『
それも十分に分かっている上で『ヒュウガ』は牽制のつもりで放ったのだが、ゲンロクはそのヒュウガの『
この場面では如何なる戦術を考えている者でも『
それが分からないゲンロクでは無いだろうにとばかりに、この場に居るヒュウガ派の『
――しかし、取るべき選択肢が間違っていると判断した『
『
ゲンロクは自分の『
ヒュウガが放った魔力圧が真っすぐに向かってきていたが、ゲンロクは
そしてその魔力圧を受け止めるかの如く、抑え込もうと左右から挟みこむようにして捉えると同時、ヒュウガの魔力圧は、
恐るべき速度で放たれた魔力圧は何事もなかったかのように消え失せたかと思うと、再びゲンロクの青く輝く目の光が強まり、再び『
――
まるで彼の目と共鳴するかの如く再び掌が青く輝き始めたかと思うと、その両手からヒュウガが放った魔力圧が
「なっ……!?」
ゲンロクに向けて放った筈のヒュウガの魔力圧が、キクゾウとヒュウガに向けて猛スピードで跳ね返ってくる。
「ぐぉっ……! ひゅ、ヒュウガ様!」
どんっという衝撃音と共にキクゾウの張った結界が吹き飛ばされて、キクゾウの身体がその後ろに居たヒュウガを巻き込んだ。どうやらキクゾウの張った結界では、ヒュウガの魔力圧を抑えきれなかったようで、結界は彼らの命を救う代わりに消失させられてしまったようだ。
すでにヒュウガは自身が放った魔力圧がゲンロクを襲うと信じて疑わず、続けて隙の大きな一撃必殺といえる『
ゲンロクの居た部屋の壁はヒュウガの魔力圧によってそのまま貫いていき、廊下に出た後も更に勢いは衰えないまま、二階の反対側の壁を突き破ってそのまま外へと追い出されていった。
「ひゅ、ヒュウガ様!?」
集まってきていたヒュウガ派の『
「い、一体何だったのだ……。はっ! ご無事ですかゲンロク様!?」
ヒュウガ派の『
「ワシの事はいい、お前達は早くヒュウガ達を追え!」
「えっ!? は、はいっ……!!」
ゲンロクの安否を確かめようとしていた『
「あそこまで奴が吹き飛んだという事はヒュウガの放った魔力は、想像以上の魔力だったという事だ……」
それはつまり冗談でも何でも無く、ヒュウガは自分を殺そうとしていたという事の証左であった。
やがてその場に残されたゲンロクは、自分の掌を確かめた後に自分以外誰も居ない部屋の中で、苦虫を噛み潰したような顔を浮かべるのだった。
……
……
……
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