第1058話 ゲンロクの責任追及
『
その出来事とは『改革派』のリーダーであり暫定の長であるゲンロクと『
事の発端は『式』に監視をさせていた『キクゾウ』が『ヒュウガ』に報告を行った事で、ここまでの大事を決して隠し切れないと感じたヒュウガが件の二人組に対して追手を差し向けていた事を正直に『ゲンロク』に伝えた事であった。
ソフィ達がこの里に訪れた時に『ヒュウガ』が隠していた事が明るみになり、前回ケジメをつけたばかりのヒュウガが、再びゲンロクに黙ってソフィとヌーを始末する為に追手を差し向けた事が分かり、ゲンロクはこの『ヒュウガ』に対して、完全に信用を失くしてしまった。
それだけであればこの『ヒュウガ』という男を側近から外して、里から追放するだけで問題はなくなるのだが、今回はそれだけでは決して終わらせる事が出来なかった。
何故ならその『ヒュウガ』が放った追手があろうことか、前回の会合で取り決めを行ったばかりの『
『
ゲンロクの屋敷の執務室で報告に来たヒュウガとキクゾウは、先程からゲンロクの前で頭を下げ続けていた。
「な、何てことをしてくれたのだ!」
その両名に対してゲンロクは、椅子から立ち上がって怒鳴り声をあげた。
「も、申し訳ありません」
ヒュウガはゲンロクに対して素直に謝罪を続ける。
本当は『
「お前は一体私を……。い、いや、この組織をどうしたいと思っているのだ?」
目の前に居るヒュウガに色々と言いたい事はあったが、ゲンロクはその多くを呑み込んで最優先で聞くべき事を告げる。
ゲンロクは禁術を編み出したり、前時代では認められなかった『
『改革派』の筆頭とはいっても目の前に居るヒュウガが行ったように『
信用を失うどころか目の前の『ヒュウガ』という『
「……」
ヒュウガは先程の謝罪の言葉の後は俯いたまま、無言でゲンロクの叱責を一身に浴び続けていた。
ゲンロクは数十秒間、ヒュウガとキクゾウの両名の反応を見ていたが、全く反応を示さない様子で俯き続けているのを見てどうやら何も言えないのだと、ゲンロクは判断するのだった。
このままでは埒が明かないとゲンロクは溜息を吐いた後、再び二人に向けて口を開いた。
「前回この里に来たヒノエ殿が言っていた『
しっかりと状況を把握出来ているのかさえ分からない『ゲンロク』はまるで子供に教えるかのように『ヒュウガ』に現実を直面させるかの如く、順を追って現状を理解させようと言葉を続ける。
「ヒノエ殿は前回『退魔組』のサテツの首を差し出せと言っていたが、あの時は決して本気の言葉では無く、妖魔山の管理権を移す条件を提示する為の言葉だったのだろうが、今回は本当に言い出しかねない。それも今回はサテツの首ではなく『
――その瞬間、だんまりを続けていた『ヒュウガ』は何かを決心したような表情を浮かべた後、ゲンロクを睨みつけるのであった。
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