第1050話 エヴィの居場所
旅籠町を出たソフィ達はエイジに案内を続けてもらい『サカダイ』の町に向かっていく。
当初の予定ではここまで長く旅籠町に居座るつもりは無かったのだが、思いも寄らない事件に巻き込まれてしまい、長期滞在となってしまっていた。
しかしそのおかげで『旅籠町』を悩ませていた人攫い集団『
更にはそのコウゾウから文を預かり『
酒宴の席でコウゾウに『サカダイ』の町の事を色々と聞かされたソフィだが、どうやらこれから向かう『サカダイ』の町は『
旅籠町で起きたような人攫いの事件に、再びソフィ達が巻き込まれてしまえば、あのとき以上に面倒な事になりそうである。
「それにしても本当に『エヴィ』の奴は、この世界に居るのだろうか?」
「う、嘘じゃあありませんぜ、ソフィの旦那!」
この世界に来てからソフィは何度も『
セルバスは元々『
「馬鹿野郎。アイツはお前が言っていた事を疑ってるんじゃねぇよ。俺達の感知能力で未だにその存在が証明出来ていない事に何が原因かを訝しんでいるだけだ」
「お、おう? そ、そうなのか」
まさかヌーから返事が来るとは思っていなかったセルバスは、素直に驚いた声をあげるのであった。
セルバスはこの世界で再会した目の前に居るヌーと、これまでの彼が知るヌーとは似ても似つかぬその様子に調子が上手く行かないと考えるのであった。
「しかし本当に不思議な事もあるもんだな。コイツや『
――そうなのである。
大魔王『エヴィ』は間違いなく『ソフィ』の配下にして『アレルバレル』世界出身の魔族である。
レパートの世界の『
つまりエヴィがソフィやヌー達の『
「それはもしかしたらソフィ殿の仲間と共に居ると、ゲンロクが言っていたイダラマのせいかもしれぬな」
「
ソフィは里でゲンロクが言っていた話を思い出そうとする。
「小生達と同じ『
「ほう……」
「ゲンロク曰く、あやつは里を襲ったと言っておったし、用心深い男でもあるからな、お主達が他の者達の魔力を感知出来るという話が本当であれば、あやつもソフィ殿の配下からその話を聞いて、結界を維持し続けておるのやもしれぬ」
「お主ら人間の張る『結界』は相当の防衛力を誇っておるというのは、里やこの前の人攫い達のアジトで理解は出来たが、魔力感知を阻害する効力も持っておるのか」
「単なる『結界』では不可能だが『上位』の『
「クックック、素晴らしいではないか」
エイジから聞かされる結界の話に興味を示すソフィであった――。
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