第892話 サカダイの森
『
まず最初に
この結界の規模やその特異性等は『
しかしこの結界内に入った事で分かった事は、戦闘が行われているという事は間違いないようである。この森一帯には、あらゆる者達が張ったであろう結界が、複雑に絡み合っているからである。
その複雑に絡み合う結界の中に『イバキ』の結界も感じられた。どうやらイバキも戦闘を行っているようで、イバキの結界は『
何故それが分かるかといえば、森に入った直後から『劉鷺』自身が、そのイバキの結界の恩恵を得ているからである。
森を進んでいくと、聞こえる悲鳴の声が大きくなってきた。どうやら戦闘を行っている現場は目と鼻の先のようである。そしてそこまで近づいた事で、ようやく敵の中に『
『
それが今近づくにつれて、明確に聞こえてくる『
(『
それは何故なら『
『式』にした妖魔の身体の安否などを気にせず、敵を殲滅するために術式を施されてしまえば、非常に厄介なことになるのである。
簡単な例でいえば『ランク』が一つから二つ上がるといえば、分かりやすいかもしれない。
『
そうなれば『
――こちらから願えば別だろうが。
やがて劉鷺は戦う覚悟をもって森の奥へと歩みを進めて行く。だんだんと大きくなっていた悲鳴も減っていき、劉鷺が『
(まずは気配を消して、居るであろう本鵺の周囲を探る)
現在の劉鷺はイバキに人型状態で使役されている。つまり通常の『鷺』状態では無い為『
そして遂に『
そこでは多くの人間達が倒れており、立っている者達も劉鷺が知らない人間ばかりであった。
(ちぃっ、やはり奴は『式』として使役されていたか)
居るとアタリをつけていた『
そうであるならば相手がワンランク上がる可能性は否めず、とりあえずは主である『イバキ』が居る筈だと劉鷺は視線を周囲へ巡らせる。
想定していたよりも酷い状況を劉鷺は、目の当たりにする事になったが、今は目を背けている場合では無い。
そしてようやく目的の主である『イバキ』を見つけ出した劉鷺は、ほっと胸をなでおろしたが、そのイバキの前に居る護衛のスーを見た後、更にその前で対峙する妖魔の存在を見て、目を丸くして驚く事となるのだった。
……
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