序列部隊の選定編
第724話 政治活動と階級分け
「分かった。お主を我が魔王軍の配下に加える事を認めよう」
ソフィがそう言うとミデェールは嬉しそうにエイネの顔を見る。エイネもまたミデェールに、ウィンクをするのだった。
「あ、ありがとうございます! 頑張ります!」
「しかしお主はまだ、前線に出られる程の強さでは無いようだな。本来であれば『序列部隊』の教育係をつけさせてやりたいところなのだが、先の戦争で我が魔王軍は数が減っているのだ。悪いがエイネ、お主が面倒を見てやってくれないか?」
「分かりました! 私が徹底的にこの子を鍛えぬいて強くして見せます」
エイネの言葉にソフィが頷きを見せるのだった。
「ではミデェールよ、これから宜しく頼むぞ」
「はい! 宜しくお願いします!」
こうしてミデェールは『アレルバレル』の世界のソフィの魔王軍の末席に座る事となるのだった。
この件はこれで終わりとばかりにソフィ達の話題は、新たに魔王軍に加わった『ステア』達の話へと移っていくのだった。
そんな中リーシャだけは、不満そうにミデェールの姿を見ているのだった。
……
……
……
色々と滞っていたアレルバレルの世界での議題を魔王軍の幹部達の会議で話し合っていき、ようやく魔界での差し迫っている問題は片付いた。
魔界の事は時間が解決するような問題だけになったが、人間界ではまだまだ混乱は続いている。
ダイス王国の国王も組織の連中に操られて好き勝手にされていた為、国が正常に戻るには、一刻も早くソフィやディアトロス達が手を加えなければならない。
今後はまたディアトロスを人間界へと送り、当分の間は現地で大臣として活動をしてもらう事となった。
そしてソフィがこの世界に戻ってきて数日が経ち、人間界でもダイス国王やディアトロス宰相の尽力の元、落ち着きが戻り始めていた。
…………
そんな中ソフィは気分転換を兼ねて、新たに魔王軍に加わったステア達の実力を見る事にした。
中央大陸にあるソフィの魔王軍の広い、訓練施設に移動したソフィ達は、彼らの戦いぶりを目に焼き付けていた。
訓練施設にはブラストが結界を張っている為、大魔王領域の魔族達が本気で暴れても結界外へは影響を及ばさない。そして驚いた事に施設内はブラストの結界の力によって、試験会場は広くなっている。
この場所には一万を越える程の人数が集まっているが、楽々と全員が入れる程の広さに変貌していた。
そんな中で『九大魔王』達が、次々と中立の者達であった魔族達と戦いクラス分けを行っていく。
この戦いの結果次第で今後の魔王軍での彼らの序列が決められていく為、皆全力で戦いに望んでいく事だろう。とは言っても『
それでもある程度の実力はこの場で測れるために、手を抜くような真似は出来ないだろう。
ひとまず数が多い為に戦闘を行う前に、個人個人で戦力値を高めてもらい、そこで戦力値が近しい者達同士戦う為にクラスの選定分けを行う事にした。
この場に居る者達は『アレルバレル』の世界の魔族達である為、中立の者達だった彼らも当たり前のように全員が、
当然の事ながらこの場に居る魔族達には『金色の体現』を果たしている者達は居なかった。
しかし
どうやらオーラの上昇率では皆一様に同等と呼べる為、基本値であるベースの部分の強さが、クラス分けの肝となりそうである。
ソフィは
本来戦力値とは基準に過ぎず、大事なことは実際に戦闘となったときに、如何に戦術を用いて勝負を有利に持っていく事が出来るかである。
何故なら今後も戦う相手全員が格下という筈はなく、戦闘に身を置き続ける者であれば、いずれは自分と対等や格上と戦う時も来るものだからである。
そんな時に『
――重要なのは戦力値という指標ではなく、どれだけ格上と戦う事を想定して研鑽を積めるかである。
いつか出会うかもしれない格上の存在と戦う為、今も『レパート』の『
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます