第544話 類は友を呼ぶ
(これは驚いた。ボクの力でも相殺出来ないようだ。魔瞳『
心の中でそう思いながらも『スタック』を使用しようとしてみたり、魔力回路に供給出来るか確かめたりと僅かな時間の間に可能な事と不可能な事を分類付けていくエルシスだった。
どうやら口を開いて言葉を話したり『
「一つ聞きたいのだけど、君の任意でボクを動けなくしているのかな? それとも『
「……それは俺がお前を動けなくしようとしているからだ。この『
リディアの言葉を聞いて、エルシスはある確信に至るのだった。
「成程ね……」
そして『エルシス』は『リディア』の魔瞳を使った後の様子を確かめ始める。
(この子が『
「確かに凄い『
もう充分にエルシスに説明が出来ただろうと、そう判断したリディアは目を元に戻すのだった。
リディアの『特異』で『極大魔法』などの魔法を斬る事が出来る上に、格上の相手に対して数秒間でも動きと『魔力回路』ごと『魔力』の使用を封じる事が出来るのであれば、リディアは確かに『大魔王』でさえ相手に、勝利することが出来るようになるだろう。しかしそこまでリディアへの評価を出したエルシスは、懸念点も同時に思い浮かぶのだった。
この子を強くする上で大事なのは、長所を伸ばす事では無く、少ない短所を更に減らす事が、大事だろうと判断するエルシスだった。
「君に力の使い方を教える前に最後の確認をしておきたいのだけど、この『
「そうだな『
やはりそうだろうなとばかりに、エルシスは納得するのだった。
「その目を詳しく調べない事には分からないけれど。ここぞという時以外は、多様しない方がいいね。どうやら少し休めば回復する類の『
「……」
エルシスの説明を聞いて自分でも思っていた事なのか、リディアは静かに頷いて同意を示すのだった。
(恐らくだけど『
エルシスはこれまで長く戦闘に身を置いてきた経験から相手を洞察する事には、他の追随を許さない程の『
その慧眼はあの大魔王『ディアトロス』と肩を並べる程であろう。そんな洞察力を持つ彼は先程のリディアの『
「しかし『
そう言ってリディアを見て、ニコリと笑いかけるエルシスだった。
「ふんっ! 成程な……」
リディアはそんなエルシスの笑みを見て少しだけ呆然とした後に、納得をするような顔をするのだった。
「?」
突然リディアが何かを納得したような表情を見せたので、彼は首を傾げながらリディアを見るのだった。
(コイツもまたあのソフィのように、他者の心を無意識に掴む事を容易に出来る存在だ。全くどいつもこいつもアイツの周りに居る奴は、一癖も二癖もありやがる厄介な奴らばかりだな)
『類は友を呼ぶ』ということわざ自体はこの世界には無いが、エルシスとソフィに対してこの
……
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