第2話 ついに、入学式
「おはよう……」
そう言ったのは、恐怖の妹がいる四人家族の兄。
目覚めが悪く、パッとしない顔、ダラシない服で下に降りてきた。
「おはよう」
こう言ったのは、大した取り柄のない兄がいる四人家族の妹。
目覚めが良く、パッとする顔、綺麗な服で下に降りてきた。
なんて、妹だ完璧すぎるではないか。
こんな、妹みたいな子が学校にいたら最高なのになんて言ったって俺は、今日から工業生になってしまうから、そんな美少女はいない。
「行ってきます」
兄は、初めての高校の入学式に向かい。
妹は、初めての中学校の入学式に向かった。
「うわ、男子しかいない。」
予想はしてたけど、実際見るときついな。
俺は、こんな高校で三年間過ごすのか、頭も身もおかしくなりそうだ。
そんな時。
舞い上がる桜の様に、ひらひらとスカートが風になびき、俺の気持ちも舞い上がってしまった。
なんて言ったって工業高校にも女子がいたなんて。
「今、私のスカートみてたよね?」
顔を赤くし僕に聞いてきた。
「見た」
僕は、緊張のあまりついつい見たと答えてしまった。
「この変態」
「仕方ないだろ。女子がいるなんて思わなかったんだし。」
「開き直るんじゃないよ。変態が!パチーン」
僕は、確かに変態だ。ビンタされてちょっと嬉しかったからだ。年齢=彼女いない歴の俺は、もちろん女の子の肌に触れる事も無かったから、今日初めて触ってしまい舞い上がっていた。
彼女は、汚い物を見るような目で僕を睨みその場から去っていった。それは妹に少し似ていた。
「おはよ、おがち」
「おはよう、たかす」
「あれ、顔に手形ついてるぞ?」
「あ……、それは……」
「言いたくないなら言わなくていいぞ。」
「ありがとう。」
さすがに、親友の(たかす)こと高橋礼央にも、こんな恥ずかしい事は言えない。ビンタされて嬉しかった事なんて。
「クラス見に行こうぜ。」
翔太は、親友のたかすを連れてクラスの人の出席番号と名前が書いてある紙を見に行った。
「おぉ!一緒だね。」
「そうだな、おがち」
「おいおい、まてよまてよ……」
「どうしたんだ、さっきから顔色悪いぞ」
確かに、翔太は顔色が悪かったそれはクラスに三人もの女子の名前が書いてあったからだ。
「あぁ、大丈夫だ。少しな疲れた」
「まだ何もやってないだろ」
こっちは、朝から色々あったんだよ……
「教室入ろっか」
「あぁ、ここが勝負どころだ!」
「さっきからお前、大丈夫か?」
俺は、いたって大丈夫だった。
だが、顔色がナスみたいな色になっていた。
教室に入ると、翔太の顔は一気に玉ねぎみたいな綺麗な肌色になり、それと同時にトマトみたいなほっぺにもなった。
それはクラスにいる女子三人とも、モデル級の超絶美人だったからだ。
「大丈夫か?今日お前教室入った瞬間一言も喋ってないけど」
「俺は、恋できるかも」
そう言って翔太は、入学式を終えたが教室に入った後の記憶はないもなかった。
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