第43話 チー牛ハード
「よぉ、起きたか?」
薄暗い部屋で、鎖につながれた牛鬼は目を覚ます。
全身鞭で撃たれて腫れあがっている。
意識が戻った後も激痛が走り続ける。
牛鬼の目の前には女がひとり立っている。
彼女の名前は『ギヤル』牛鬼と同じく魔王軍の幹部のひとりである。
パンッ!!
女から振り出される鞭が牛鬼の肌をえぐる。
「ぐっ」
「チッ・・・・・・気色の悪い声出して、喘いでんじゃねーよッ、このチー牛がッ!!!!」
パンッ!!
パンッ!!
追加で何度も繰り出される鞭に
牛鬼は声を出さないように耐えるしかない。
「もう一度聞くぜ、センシの野郎を仕留めそこなったのは、なぜだ?」
息を切らしながら、
たどたどしく答える。
「斧を持った男が居た・・・そいつは・・・この俺・・・『チー牛を超えるチー牛』だった」
チー牛を超えるチー牛・・・
その言葉に周りに居たもうひとりの全身マントに身を包んだ人物が興味を持つ。
彼の名はドロロ、同じく魔王軍幹部のひとりだ。
「それは、牛鬼以上の怪力を持った男ということか・・・警戒に値する」
「チョーウケるw、慎重すぎだぜ。チー牛ごときを超えた所でアタシらの敵じゃねーっての」
ギヤルはくるりと振り向いて、着替えをおこなう。
魔族の証であるツノは帽子で丁寧に隠す。
「ああ~、ギヤルちゃん可愛い過ぎて、絶頂しそうw」
ギヤルは鏡で自分の姿を見ながら恍惚の表情でよだれを垂らす。
「これから~ギヤルちゃん達は大仕事があるの・・・てめぇの処遇決定はその後だ、精々短めの遺言考えとけ」
ギヤルとドロロの二人は牛鬼が拘束された部屋を後にする。
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