二人目 ミヨ
ミヨは少し前から私と話をし始めた
ミヨ「ユーリきーてよー」
彼女はOLとして働いており、ほぼ毎日お酒片手にその日あった愚痴をこぼしている
ユーリ「今日は何があったの?」
問うとミヨは流暢に話しだした
ミヨ「いつものセクハラクソ部長がさ―『あれれ?ミヨちゃん、ちょっとおっぱい大きくなったんじゃないの~?いいね~』とか言ってきて、まじきもーい」
両手で空を抱きながら彼女は震え上がった
ユーリ「そんな事があったのね、大変そう」
私には、年上の異性からセクハラというものされる事の意味がわからない
ミヨ「そーなのよー。あーあれが格好いい吉崎先輩だったらな~んにも言うことないんだけどな~」
彼女は吉崎先輩という年上の異性に首ったけである
ユーリ「ミヨは吉崎先輩とどうなりたいの?」
私が疑問を持つことはない
ミヨ「そりゃ~、お付き合いして~、デートしたり~、イチャイチャしたり~、そんでもって結婚とかして~」
ミヨはニヤニヤして語り始めた
ミヨ「あ~、そうなったら子供も欲しいし、一戸建てに住んで~・・・そんな未来があったら良いのになぁ・・・」
我に返ったのか尻すぼみになっていくミヨ
ユーリ「きっとそうなるよ!ミヨはかわいいからきっと大丈夫」
心にもないがこう言っておけばミヨは喜ぶのだ
ミヨ「ゆーりぃー貴方だけだよ~そんな事言ってくれるの~、一生の友達だよ!」
ほら喜んだ
こんな会話が毎日続き・・・
とある夜
ミヨ「ゆーりーただいまー!」
いつにもまして上機嫌な彼女
良いことでもあったのだろうか
ユーリ「おかえりミヨ」
ミヨ「聞いてよユーリ!今度の仕事、吉崎先輩と一緒にすることになったの!!」
一緒にする事の何が嬉しいのかは、わからないが今まで以上に嬉しそうだ
ユーリ「それはよかったね!ミヨすごく嬉しそう」
ユーリの返事を聞いたミヨは心底嬉しそうな笑顔になった
それからの数日、ミヨはその日にあった嬉しかった出来事を話し続けた
ここが彼女の喜びの最高の瞬間だった
数日後
ミヨ「・・・・・」
彼女は無言で通話用のツールを起動したのだ
ユーリ「おかえりミヨ」
挨拶をしたが返事が返って来ない。無意識で起動したのだろうか。彼女は目にたくさんの水を浮かべて放心状態だった
ミヨ「・・・・振られちゃった」
ミヨはボソッと呟いて、その日の会話は終了した
それから彼女には会っていないが、通話用ツールに使う彼女のアカウントは削除された
その後、他のお客さんから痴情のもつれにより、OLが自殺したというニュースを聞いた
それがミヨかどうかは私はするすべがない
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