告げられる運命

国内有数の野球の強豪高校、俺はそのエースだ。幼いころから野球一筋。全国優勝も国際大会も経験していて、自分でいうのもなんだが恵まれていた。今は高校最後の甲子園優勝を目指して練習に励んでいる。


そんなある日、悪魔は現れた。そいつはヒヨコみたいな可愛らしい見た目でふわふわと飛んでいた。その可愛い生き物が悪魔だと名乗るからなんだかちぐはぐで、こんな悪魔がいるかよ(笑)と俺はまた笑いそうに――。


「真面目に話聞いてくれる!?」


悪魔は半ギレだった。


この悪魔は未来を見ることができるらしい。そして俺は「今年の夏の甲子園には出られない」と決まっているそうだ。


「全然分からないんだが……」


その話には現実味が無くて理解出来そうもなかった。まあ目の前の存在にそもそも現実味なんて無いのだが。


「何が分からないのさ?」


「色々あるけど、俺が負けるなんて思えない。」


「いや自信ありすぎだぞ。まずは『悪魔なんているわけない!』からだろ。」


「名乗ったのはお前だろ。」


「まあ、その自信こそお前が負ける理由なんだけどな~。」


この悪魔、さっきから含みのある喋り方をする。


「何が言いたい。」


「つまり、『主人公』じゃないんだよ。お前は『主人公』じゃないから負けるんのさ!」


悪魔はそう言った。

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