SF ねこうさ ゆりボイン

八乃前 陣

プロローグ 地球はマジの新世紀

 地球の旧西暦に直せば、時は三四五六年。

 約五世紀ほど前に、恒星間航行を手に入れていた地球人類は現在、様々な知的生命体との交流や、それ以外の生命体との接触などを果たしていた。

 外宇宙には十数に届く移民惑星も開拓し、地球本星は、一つの連邦国家として再構成。

 知的生命体が所属する宇宙連合組織「惑星連合」の一席を担っていた。

 地球には多種多様な異星人が居住し、地球人類もあらゆる惑星都市へと進出。

 交流は活発の頂点へ向けて発展を続け、地球上には公用宇宙語が流入され、ビークルなどの各種機器やその使用方法も、宇宙共通規格へと統一が進んでいる。

 かつてのSF系単語「エイリアン」も「知性の無い暴力的な宇宙怪物」のみを示すオタク用語のレベルにまで、意味性が変化していた。


 地球という惑星国家の組織体系にも、惑星内だけでなく、惑星外にも対応する新たな部署が、いくつも出来た。

 経済、航宙法、警察組織、憲法、生活文化…。

 そして外交も、他に漏れず。

 惑星内の警察組織とは独立した、新たな、調査及び治安維持組織「地球連邦政府 対外特別捜査部 第二特別捜査課」。

 ここは、主に地球惑星内の外宇宙人犯罪者だけでなく、地球国家所属の移民惑星や、地球国家との交流がある惑星での地球人類が関わる事件の捜査協力なども、担当している。

 まさしく、宇宙交流時代の部署である。

 特別捜査官と称される彼らには、捜査権や逮捕権、更に裁判権に批准する殺人許可など、宇宙連合に準じた許可が与えられていた。

 そんな、現場レベルでは男性専門のような荒事の部署に、二人の少女捜査官がいる。

 射撃能力では地球連邦捜査官でトップを誇る、ネコ耳少女「ハマコトギク・サカザキ」十七歳。

 ビークルの操縦能力に置いて同じく捜査官トップを誇るウサ耳少女「ユキヤナギ・ミドリカワ・ライゼン」十七歳。

 共に、宇宙の悪党たちから鬼と恐れられた捜査官を曽祖父に持ち、それぞれ天才的な才能に恵まれた少女たちは、ユニットネーム「ホワイト・フロール」と命名され、人々の平和を護るため、今日も宇宙を駆け巡っていた。

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