157. 異世界801日目 また褒章?
しばらくは付き合い始めてからの後日談になります。冒険の話は次の章からする予定です。
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クリスさんたちの結婚式から少したったころ、朝食をとって出かける準備をしていると宿の受付に王宮からの使いが来ていると連絡があって驚いた。王宮から?クリスさんはもう関係ないはずだよね?
大急ぎで準備をしてからジェンと二人でロビーに行くと、ロビーの横にある部屋に案内される。こういうところは応接室のようなところがちゃんと用意されているようだ。
部屋に入るといかにも役人という感じでこっちの世界のスーツのようなものを着た男性が立ち上がった。30歳くらいのちょっと気弱そうな感じで顔にはあごひげを蓄えている。
部屋の中央にテーブルがあり、全部で8人くらいはかけられそうなくらいのソファが周りに置いてある。ちょっとというか、かなり高級そうな感じの絵画や家具が置いてあるので上流階級の人のための部屋なんだろう。
「初めまして、私は王宮の事務部門に勤めるラウソンと言います。」
「初めまして。自分はジュンイチと言います。隣はジェニファーです。」
「初めまして。ジェニファーです。」
とりあえず簡単な挨拶を済ませた後、席を勧められたのでラウソンさんの正面のソファーに座って話を聞くことにした。
「急な訪問にも関わらず対応いただきありがとうございます。
本来であれば事前に連絡をしておくべきなのですが、冒険者の方に対してはできるだけ早く連絡しなければ連絡が取れなくなるということもありますので、このような形になったことをお詫びいたします。」
冒険者だといきなり出かけていなくなっているということは確かにあるかもね。
「さて、今回訪問させていただいたのは褒章に関する件です。このたび、お二方の国への貢献が認められて褒章されることとなりました。
誠におめでとうございます。」
褒章?国への貢献ってなんだろう?この間のクリスさんのことなのか?でもすでに王族ではないので国への貢献とはならないよなあ?
「褒章といわれても、ヤーマン国に貢献するようなことに心当たりがないのですが・・・。」
「詳細についてはまた後日説明があると思いますが、行政部門での教育や運用方法に多大なる貢献があったと聞いています。」
「教育や運用方法?」
「イチ、あれじゃない?前に国王陛下にお会いしたときにクリストフ殿下に説明したやり方を使わせてもらえないかと言われたじゃない。」
「ああ、あれか。教育方法のマニュアル化とかひな形の作成とかだったよね。」
こちらの話が一段落したところでラウソンさんが続きを話し出した。
「よろしいでしょうか?
そこで近いうちに褒章式が行われる予定ですが、ご都合を聞きたいと思い訪問させていただきました。今のところ2日後の4月15日の2時が候補となっております。もし不都合がないようでしたらこの日程で進めさせていただきたいと思いますがいかがでしょうか?」
かなり急な話だなあ。なにか事情があるのかもしれないけど、国から褒章をしてくれるというのに断る選択肢はないか。まあそれ以前に断ることができるのかもわからないし。
ハクセンでももらったけど、意外と役に立つことも多かったからね。この世界で生きて行くにはあって損はないだろう。
「ジェン、特に予定というのもないので大丈夫だよね?」
「大丈夫だと思うわ。せっかく時間をとってもらっているのにまた調整してもらうのも悪いからね。」
「そういうことなのでその日時で問題ありません。当日は王宮の方に直接行けばよろしいのでしょうか?あと服装など注意する点などはありますか?」
「ありがとうございます。それではその日程で進めさせていただきます。当日はこちらの宿に宿泊しているのであれば1時半にお迎えに上がります。」
このあと他の注意点についていくつか確認をとっておいた。服装は冒険者と言うことなので防具でもいいようだが、この間の結婚式の時の服を見せると、その衣装が一番よいと言われたのでほっとする。作っておいてよかったな。
ラウソンさんを見送った後、ジェンと話をする。
「ハクセンだけでなくヤーマンからも褒章を受けるとはなかなかすごいことだねえ。まあ、どのクラスの褒賞を受けるかわからないけど、普通に考えたら一番下の赤玉章か下から二番目の紫玉章だろう。貴族位に相当する緑玉章ということは無いだろうしね。」
「下位爵が二つあってもしょうが無いと思うから何かもらえるだけでもいいと思うわ。一応準位爵ということにはなるみたいだけど、これでもかなりありがたがる人も多いと思うから何かの時には役に立つかもしれないわ。」
とりあえず二日後には王宮に行かないといけなくなったのでちょっと面倒だけどしょうが無いだろう。服については結婚式の時の衣装が早速役に立って良かった。結構したからあれ以外に全く使わないと言うことになったらもったいないからね。
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