87. 異世界398日目 古代遺跡の調査
現存する古代遺跡は無人島で見たんだが、果たして他に今も稼働している遺跡はないのだろうか?本当にないのか、もしあったとしても見つかっていないのか、もしかしたら秘匿されている可能性もある。
気になったので普通に稼働していない遺跡についてどんなものかについても把握しておいたほうがいいだろうと言うことでいろいろと調べてみた。
遺跡は昔から冒険者達によって主に魔道具など使用できるものを手に入れることを目的に調査されてきた。現在も新しい遺跡の発見を冒険者に依頼している人たちもいるくらいだ。
埋もれてしまっていた遺跡については国が中心となって調査されたものも多かったが、国の調査でも遺物を探すことに注力されていただけで、遺跡自体の調査や保存についてはほとんどされていなかったらしい。
最近になって古代文明についての調査を行う団体ができたが、遺跡の大半がすでに荒らされていることもあり、なかなか調査が進まないようだ。
新しく遺跡が見つかってもすでに主要な遺物は無くなっていることがほとんどで、手付かずの遺跡が見つかることはほとんどないようだ。残っているのは秘境と言われているところくらいだろうと言われている。
古代文明はかなり高度な文明であったらしいが、大きな戦争でその当時の知識や技術が失われてしまったと言われている。おそらく2000~4000年ほど前ではないかと言われているが、地学などがあまり進んでいないみたいで年代の特定がまだできていないようだ。現在の文明で残っている資料で遡れるのは2000年くらいなのでそれ以前という解釈である。
遺跡の壁などに文字が書かれていたりもするんだが、文字の存在は圧倒的に少なく、文字の解明はなかなか進んでいない。主要なものは紙のようなものに書かれていたのではないかと言われている。
遺跡の特徴の一つにかなり強化された壁があるようだ。壁に魔力を通すようになっているようで、通っていない状態でもかなりの強度なので魔力が通っていた場合は破壊不可能だったのではないかと言われている。あの島の壁がそれなんだろうな。
本でいろいろと読んではみたんだが、やはり実物を見てみないとよく分からないと言うことでサクラの近くにある古代遺跡に行ってみることにした。
場所はサクラから歩いて2時間ほどかかるところだったが、車で走ると30分ほどで到着できた。遺跡のほとんどが埋まっていたみたいで遺物を探すために掘り起こされている感じだ。
遺跡の保存という概念はないみたいで放置されている感じだが、今でも何か見つからないかと冒険者達が来ることはあるようだ。
遺跡の中を見ていくと、扉のようなところがあり、同じように認証が必要なパネルがあったようだ。ただすでに取り外されているので詳細は分からない。遺跡では配線を含めて金属関係はすべて取り除かれているという感じだ。
建物に使われている壁などは普通に固められたものみたいだが、所々強化された建物もある。強化されているが、島のように全く傷がつかないわけではなく、少しずつであるが削ることができた。ただそのような壁があるところはすでに穴が開けられて中は全て調査されてしまっている。
中を見ると機械のようなものが設置されていたような後もあった。回収されて魔道具や金属として処理されたのかな?
建物の位置を考えると町の大半は消滅したのか不自然な感じで建物が残っている。本当はもっと大きな町だったが、戦争で町の大半がなくなり、一部の残ったエリアがこの遺跡なんだろう。
蒼き衣を纏った人の旧世界のように巨大な兵器で完全に世界が滅びてしまったんだろうか?
もし遺跡を見つけたら調査する価値はありそうだな。うまくいけば高価な遺物を見つけることもできそうだしね。あの島のように古代文明の遺跡がまだ稼働しているところもあるかもしれない。道しるべの玉に登録されている場所でまだ遺跡の調査が行われていないような場所もあるから行ってみたいものだ。
一通りの調査を終えてからサクラの町に戻る。
今日もクリスさん達と夕食の約束をしているので宿に戻って着替えをしてから待ち合わせのお店へと向かう。
お店に着くとすでにクリスさん達も到着していて部屋に案内されるとみんな揃っていた。最近スレインさん達もかなりおめかしするようになっていて、かなり眩しい。今までも美人の部類だったのに、化粧までするとトップレベルだよ。
みんな揃ったところで食事となり、最近の出来事など色々な話をする。自分たちがいなくても普通に話すようになってきているので、そろそろ自分たちが一緒じゃない方がいいんじゃないかと聞いても、せっかくだからと食事などに誘われるので断るわけにもいかない。
食事も終わってそろそろお開きとなるところでクリスさんから提案があった。
「すまんが、明後日は一日予定を開けることはできるか?」
「えっと・・・大丈夫だよね?」
「うん、訓練くらいだから、開けることはできるわ。」
「大丈夫だと思います。」
「それじゃあ、明後日の朝に迎えに行くから私服でいいので準備しておいてくれ。」
「わかりました。」
みんなと分かれてから宿に戻る。もうすぐ他の国に行くのでのんびりした生活ももう少しだな。正直収入はあるのでこの生活を続けていくこともできるんだけど、それはそれでもったいないからね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます